その他の研究成果
東北と広東の「三宝」
要旨それぞれの地域の特色のひとつのたとえとしてお話するのが、中国東北部で「東北の三宝」といわれているものと、華南地方で「広東の三宝」といわれているものの違いですが、両者は、ずいぶんと趣を異にします。
バイデンの民主主義サミットを世界が評価(英語)
要旨日本に関する担当部分にて、著者は民主主義サミットは政権が推進している自由で開かれたインド太平洋(FOIP)のビジョンと一致していると述べている。とはいえ、地域の協力関係を強化するために、東京はより包括的なアプローチを提唱していただけに、この招待は微妙である。招かれていなくても、日本が他の国に働きかけることができるような、地域的な会議を行うべきだと著者は提言している。
図書館等のデジタル・ネットワーク対応
要旨令和3年6月に公布された著作権法改正のうち、31条(図書館等のデジタル・ネットワーク対応)改正内容を概略し、ソフトローによる規範形成、図書館等の範囲、絶版等資料の活用などにおける今後の論点を述べる。
「法人税最低税率15%」のインパクト-国際課税のグローバルガバナンスをめぐって
要旨15%の最低税率は、租税競争を終わらせるのに十分な水準ではない。国際課税の問題に有効に取り組むため、国際的調整を議論する場を活用する必要がある。
国家元首の免除
要旨今日、「共存の国際法」としての免除の国際法に対抗する概念として、国際共同体の共通利益である「国際法上の重大犯罪に対する不処罰の終焉」を実現する「協力の国際法」が生じつつある。だが現状では、「協力の国際法」と「共存の国際法」は共存し、主権国家中心の国際社会構造を維持する以上、依然、後者が中心的役割を担う。ゆえに、国家間の水平的法律関係の基盤を背景としているからこそ、個人や国家に対する国際法の垂直的法律関係の実現も難航する。協力の国際法が国家に対して正当で衡平なものと評価されない限り、それは国家にとって介入の国際法と映る。国際刑事裁判所と非締約国国家元首の免除の問題も、法的解決というよりは政変による時間的解決にとどまっているように思われる。主権に阻まれずに個人の刑事責任の追及を行うことで被害者の人権救済を行おうという協力の国際法の成否は、国際刑事裁判所が説得的にそれを展開できるかどうかにかかっている。
EUにおける動物福祉と宗教の自由
要旨Case C-336/19 Centraal Israëlitisch Consistorie van Belgiëに関する判例研究。EU司法裁判所が、宗教の自由よりも動物倫理に重きをおいた事件。
中国の党政機構改革と「法治」
要旨今回の党政機構改革は、「徳治」と「政治」の徹底のため、関連する統括機構の権限を集中・強化し、その命令系統を明確にする、というものに尽きる。逆に言えば、命令・統括権限の集中・明確化により、「政治」的責任追及を強化することで、「徳治」すなわち党中央ひいては習近平への「絶対忠誠」に基づいて上級指示を「貫徹執行」することを確保しようとするものである。