出版物
ロシア・ウクライナ戦争が終わらせた米ロ軍備管理体制 -核の恫喝が対中抑止に持つ含意(上)
要旨ロシアが行った核の恫喝は、核を地域レベルの戦闘でも「使える」兵器へと変貌させた。米国は、ロシア、中国と新たな規制構築を行わざるを得ないだろう。ただ、冷戦期からの米ロの軍備管理体制が基盤にしてきた秩序の前提自体が壊れている。
「安定―不安定のパラドクス」の現実 ロシア・ウクライナ戦争で露わになった「核の恫喝の下でのハイブリッド戦争」とは
要旨「核の恫喝の下でのハイブリッド戦争」という戦略環境のなかで、日本はどのように核のリスクに対処していくべきなのかについて、抑止態勢のあり方、戦略的競争を規定する軍備管理の役割、そして核の国際秩序の基調となるべき規範という三つのレベルから論じる。
二つのモラルを繋ぐ共通の目標に向かって ーローマ法王と米国大統領の言葉 (英語)
要旨核兵器の非人道性を強調する「理想主義」的見解と国際安全保障における核兵器の意義を認める「現実主義」的見解との間の乖離を、両者が依拠する倫理体系の違いから論じる。核の倫理と抑止力に関するローマ教皇ヨハネ・パウロ二世とレーガン大統領の関係を参照し、両者の溝を埋める可能性を探す。
ウクライナ侵攻の波紋 秋山信将さん、松田康博さん
要旨核さえ持てば抑止できるなどという大ざっぱな議論ではなく、大きな国家戦略と目標から安全保障戦略、必要な装備へと順序立てた思考をすべきだ。
核禁条約、イラン…NPT再検討会議の焦点は 秋山信将氏が解説
要旨2022年1月4日から核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開催される。記事では秋山信将教授に話を聞き、再検討会議の焦点を解説、また核軍縮の現状や分断解決の糸口をどこに見出すべきか分析してもらう。
見直される「核の役割」…一橋大教授 秋山信将氏[視点 ウクライナ危機]
要旨ウクライナ危機が続く中「核共有」の議論を急ぐより、核のリスクと役割、その限界を客観的に分析した上、国家安全保障の観点から核の位置づけを冷徹に議論する必要がある。
「ウクライナは核を放棄したからロシアに侵攻された」という議論が見逃していること
要旨ウクライナが核を放棄しなかったらロシアに侵攻されることはなかったのではないかという言説に対し、ウクライナの非核化がほぼ唯一の選択肢であったことを主張しその経緯を分析する。
核兵器禁止条約発効 『安保環境の現実を踏まえよ』秋山信将・一橋大教授
要旨核兵器禁止条約に入るため米国の核の傘から抜けるべきだとの議論よりも、核の傘が必要な安全保障環境をどう改善するかという考え方が必要だ。