その他の研究成果
国際政治のなかの同盟
要旨同盟が国際政治の力学の中でどう変化してきたかに関して、個別の歴史事象に着目し同盟を新たに解釈した8編の論文を紹介する。著者は、理論・歴史研究における同盟の形成、同盟の安全保障でのジレンマ、その機能などを整理した上、同盟を第二次世界大戦以前、冷戦期、冷戦後の時期に区分し、各論文の概要と意義を提示する。
先決付託義務と欧州人権裁判所
要旨Affaire Sanofi Pasteur c. France, Requête nº25137/16に関する判例研究。欧州人権裁判所が、国内裁判所がEU司法裁判所に先決裁定を求めない場合は人権侵害に当たるとした事件。
BTS 世界的ヒットの理由
要旨韓国発の男性グループ・BTSが日本のみならず、米国の音楽チャートでも首位となり、今年3月発表の米グラミー賞にもノミネートされるなど、世界規模での快進撃を続けている。
法人税の最低税率―GloBEルールの概要および課題
要旨多国間企業による無税・軽課税国を利用した税源浸食・利益移転を実効的に封じるための方策の一つであるGloBEルールの概要と今後の展望。15%という水準で租税競争は緩和されるが、終了するわけではない。
核兵器禁止条約発効 『安保環境の現実を踏まえよ』秋山信将・一橋大教授
要旨核兵器禁止条約に入るため米国の核の傘から抜けるべきだとの議論よりも、核の傘が必要な安全保障環境をどう改善するかという考え方が必要だ。
男女の昇格差別とその救済ー兼松事件
要旨同期の男性一般職との賃金格差は男女差別であると主張し、賃金・一時金等の差額と、慰謝料、弁護士費用の支払い等を求めた件(兼松事件)ついて、原判決を変更し、損害賠償請求を一部認容した判決の解説(東京高裁平成20年1月31日の判決)
重層化する国際秩序と日本
要旨米中が異なる秩序観を持ち、対立が構造化するなかで、人権、 民主主義、 経済安全保障などをめぐる外交領域が拡大している。多様なアクターが参画する新たなアリーナに日本は果敢に参入し、行動することが求められる。
核軍縮、取り組み強調 5大国共同声明 非保有国の不満そらす 秋山信将・一橋大大学院教授の話
要旨今回の共同声明の背景には、核兵器保有を5大国に限定した核拡散防止条約(NPT)体制に対する国際的な信認が今後、さらに低下することへの危機感があるとみられる。