その他の研究成果
アメリカにおける男女雇用平等法理の展開―ジリアン・トーマス氏の著書を手がかりとして
要旨『雇用差別と闘うアメリカの女性たちー最高裁を動かした10の物語』を手がかりにし、1964年公民権法(Civil Rights Act of 1964)の第7編の下における性差別法理の展開、関連判例、および現在までの法制の動きの概観。いくつかの事件を除いては、女性が個人として使用者を相手に訴訟を提起したのであり、これらが積み重なって今日まで法理が形成されてきたという点には、アメリカらしさが現れている。
公平性の罠−−日本の高齢者にとってのワクチン予約システムと混乱(英語)
要旨本論文は、日本のワクチン流通システムが直面した政治的、技術的、制度設計上の問題を指摘し、特に高齢者向けの問題を取り上げている。筆者は、公平性よりも個人の特性に焦点を当てた方が、ワクチン接種計画の遂行には良かったのではないかと提案している。
デジタルプラットフォーム規制を巡る欧州の動向
要旨EUの各種デジタルプラットフォーム(DPF)規制改革において、2014年以降から現在の欧州委員会に至るまでのDPF関連制度改革、法案を紹介する。
アジアの多国間主義と民主主義 (スペイン語)
要旨本文論では、2000年代前半までにアジアで構築された制度や協力の枠組みにおいて、具体的な成果が少ないことを指摘する。政治的な不安定さや中国などの権威主義勢力の台頭は、この地域における民主主義の拡大にとっての課題である。これを防ぐための答えは、協力、新興民主主義国の統合、制度化に基づいており、COVID-19の流行により、これはさらに困難になる可能性がある。
セウォル号事件、フェミニズム…作品性と大衆性を兼備した韓国の社会派映画5選
要旨韓国映画には政治や権力を果敢に批判し、歴史・社会問題に触れる作品が多い。しかも作品性と大衆性を兼備する点が強みだ。とりわけ、朴槿恵(パク・クネ)前大統領を弾劾に追い込んだ「ろうそく革命」の前後、2015~17年には社会派映画が数多く誕生した。
電子部品の需要とグローバル化への挑戦(スペイン語)
要旨本出版物では、いくつかの主要な商品が不足したことを、パンデミックの初期にいくつかの国が取った態度と関連づけ、それらが中南米に与えた影響について述べている。
変容する「人権・民主主義外交」-民主主義国の国際連携と日本のあり方
要旨バイデン政権は人権・民主主義の保護とそれに基づく外交を中核に位置付け、新たな路線の基軸は国際連携による人権・民主主義の推進となった。背後には、自由主義的国際秩序の後退に加え、国際社会の米国に対する認識変化を自覚する米政権・識者の姿がある。