その他の研究成果

「宅基地使用権」の改革とその到達点

著書名但見亮
出版日2021年11月

要旨農村の長期停滞と貧困に直面した党国家当局は、農村の宅地を「実物」の財産として利用する方策を模索しはじめた。本章では、この宅地使用権について、財産権化という見地から問題の所在を明らかにしたうえで、試行の様相と規定の変化を分析するとともに、理論の様相と対立点を明らかにすることで、現状の到達点と今後の展望を示している。

リーガル・イノベーションプログラム

国際課税ルールの見直しによる市場国課税の導入

著書名吉村政穂
出版日2021年8月

要旨経済のデジタル化を進める多国間企業の活動に適切に対応するための国際課税改革の新しい枠組みを紹介し、市場国の課税権を基礎付ける理論、そしてこれらが地方税の議論に与える示唆を検討する。国際課税ルールの変化が地方税制に即座に応用されるものではないが、情報通信技術の発展によって、課税権を基礎付けてきた基準に修正が必要という点は共通し、これからの地方税制を考える上でも示唆があると考えるべきだろう。

ヨーロッパと日本の人権保護の比較 ー同性婚を題材に [in English]

著書名中西優美子
出版日2022年2月

要旨同性婚について、ヨーロッパの状況と日本の最近の動向を紹介しつつ、人権の観点から考察する。

グローバル化する東欧とアメリカ ―デタント・東西貿易・債務問題 (益田実・齋藤嘉臣・三宅康之編著 、法律文化社)

著書名青野利彦
出版日2022年4月

要旨東欧経済が資本主義市場経済に組み込まれて行く過程を「東欧のグローバル化」と考え、それに対するアメリカの対応を検討する。アメリカは経済的手段を行使することで対外政策の変化や政治体制の改革を促すことを期待したが、この対応によってアメリカが東欧に行使し得た影響力には限界があったことを明らかにする。

先決裁定付託義務と法律上の裁判官により裁判を受ける権利(IV(6)) 【EU法における先決裁定手続に関する研究(44)】

著書名中西優美子
出版日2021年8月

要旨本論はEU法における先決裁定手続に関する研究として、2021年3月のドイツ連邦憲法裁判所の事例を取り上げる。事件では、ドイツ基本法(憲法)101条1項2文に規定される法律上の裁判官による裁判を受ける権利が問題となった。すなわち、ドイツ連邦財政裁判所がEU司法裁判所に先決裁定を求めなったことがドイツ憲法上問題となった。

民主主義・人権プログラム

カンボジアの「ウィン・ウィン政策」は危機的状況にあるミャンマーにも有効か?(ビルマ語)

著書名アウン・ニン テ テ
出版日2022年1月7日

要旨この論文では、フン・セン首相とミャンマーの現軍事政権との関係の中で、カンボジアの「ウィン・ウィン政策」を関連付けている。

民主主義・人権プログラム

Dissidents.org–- ストーリー(英語)

著書名ハニグ・サスチャ
出版日2020年から2021年まで

要旨プロジェクト「Dissidents.org」は、自由と民主主義を主張する世界各国の活動家たちのインタビューを集めたもので、彼ら自身のストーリーや実体験をさらけ出している。

民主主義・人権プログラム

腐食性資本:チリの事例(スペイン語)

著書名ハニグ、サスチャ; クラロ, フェルナンド; ラゴス, フアン・パニアグア; パブロ
出版日2021年

要旨この出版物は、権威主義国家の企業がチリ国内で行った投資やプロジェクトに関するFPPの調査結果である。結論としては、腐食的な影響を防ぐための制度の役割を指摘している。また、他の中南米諸国への提言もなされている。

民主主義・人権プログラム

恣意性なき人権外交の展開を

著書名市原麻衣子
出版日2022年2月

要旨各国内のポピュリズム、権威主義国の影響力工作、情報技術の革新により、人権規範が弱体化し、人権外交が急速に主流化している。

民主主義・人権プログラム

侵食される民主主義 上・下(勁草書房)

著書名ラリー・ダイアモンド(市原麻衣子監訳;東海林拓人、鈴木涼平、杉井敦、増村悠爾訳)
出版日2022年2月

要旨いま民主主義国は、権威主義国から影響力工作や「シャープパワー」で侵略され、国内ではイデオロギー分断が生じている。この外からの攻撃と内からの自壊を包括的に捉える画期的な民主主義本がついに登場。最近の民主主義の後退を最初に指摘した「ミスターデモクラシー」ことダイアモンド教授による警告と、再生に向けた処方箋。