その他の研究成果

先決裁定付託義務と法律上の裁判官により裁判を受ける権利(IV(6)) 【EU法における先決裁定手続に関する研究(44)】

著書名中西優美子
出版日2021年8月

要旨本論はEU法における先決裁定手続に関する研究として、2021年3月のドイツ連邦憲法裁判所の事例を取り上げる。事件では、ドイツ基本法(憲法)101条1項2文に規定される法律上の裁判官による裁判を受ける権利が問題となった。すなわち、ドイツ連邦財政裁判所がEU司法裁判所に先決裁定を求めなったことがドイツ憲法上問題となった。

民主主義・人権プログラム

カンボジアの「ウィン・ウィン政策」は危機的状況にあるミャンマーにも有効か?(ビルマ語)

著書名アウン・ニン テ テ
出版日2022年1月7日

要旨この論文では、フン・セン首相とミャンマーの現軍事政権との関係の中で、カンボジアの「ウィン・ウィン政策」を関連付けている。

民主主義・人権プログラム

Dissidents.org–- ストーリー(英語)

著書名ハニグ・サスチャ
出版日2020年から2021年まで

要旨プロジェクト「Dissidents.org」は、自由と民主主義を主張する世界各国の活動家たちのインタビューを集めたもので、彼ら自身のストーリーや実体験をさらけ出している。

民主主義・人権プログラム

腐食性資本:チリの事例(スペイン語)

著書名ハニグ、サスチャ; クラロ, フェルナンド; ラゴス, フアン・パニアグア; パブロ
出版日2021年

要旨この出版物は、権威主義国家の企業がチリ国内で行った投資やプロジェクトに関するFPPの調査結果である。結論としては、腐食的な影響を防ぐための制度の役割を指摘している。また、他の中南米諸国への提言もなされている。

民主主義・人権プログラム

恣意性なき人権外交の展開を

著書名市原麻衣子
出版日2022年2月

要旨各国内のポピュリズム、権威主義国の影響力工作、情報技術の革新により、人権規範が弱体化し、人権外交が急速に主流化している。

民主主義・人権プログラム

侵食される民主主義 上・下(勁草書房)

著書名ラリー・ダイアモンド(市原麻衣子監訳;東海林拓人、鈴木涼平、杉井敦、増村悠爾訳)
出版日2022年2月

要旨いま民主主義国は、権威主義国から影響力工作や「シャープパワー」で侵略され、国内ではイデオロギー分断が生じている。この外からの攻撃と内からの自壊を包括的に捉える画期的な民主主義本がついに登場。最近の民主主義の後退を最初に指摘した「ミスターデモクラシー」ことダイアモンド教授による警告と、再生に向けた処方箋。

ホモジニアスな日本? 日本における市民意識の実証的検討(英語)

著書名ウ ユジン
出版日2022年3月

要旨本論文では、民族国家の国民が市民権取得基準をどのように捉えているかを分析した。その結果、全体的に見て、日本人は誰が「日本人」であるかを判断する際に、両親の国籍、特に父親の国籍に最も大きく依存していることがわかった。この結果は、日本の文化的同質性に対する長期的な信念と、父系的な市民権の伝統によって強化された家父長的な価値観を反映しているものと考えられる。

良心的兵役拒否の倫理 (英語)

著書名竹村仁美
出版日2022年

要旨本論文は、Michael K. Duffey 教授によるオリジナル原稿の第1版と第2版を更新したものである。良心的兵役拒否の宗教的・哲学的根拠を網羅している。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教における拒否の理由を取り上げている。今日、徴兵制を採用する国は減少しているので、良心的兵役拒否の問題は解消されるはずである。国連も欧州人権裁判所も、良心的兵役拒否の権利は、思想・良心の自由の下で保障されていると認めるようになった。特定の武力紛争に対して選択的な良心的兵役拒否の権利を行使できるかどうかが争点となっている。

国際政治のなかの同盟

著書名青野利彦
出版日2022年3月

要旨同盟が国際政治の力学の中でどう変化してきたかに関して、個別の歴史事象に着目し同盟を新たに解釈した8編の論文を紹介する。著者は、理論・歴史研究における同盟の形成、同盟の安全保障でのジレンマ、その機能などを整理した上、同盟を第二次世界大戦以前、冷戦期、冷戦後の時期に区分し、各論文の概要と意義を提示する。

先決付託義務と欧州人権裁判所

著書名中西優美子
出版日2022年2月

要旨Affaire Sanofi Pasteur c. France, Requête nº25137/16に関する判例研究。欧州人権裁判所が、国内裁判所がEU司法裁判所に先決裁定を求めない場合は人権侵害に当たるとした事件。