ニュース

グローバルリスク・危機管理プログラム

「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合

2023年5月30日
2023年4月4日から5日にかけて、GGR研究員で国際・公共政策大学院学長の秋山信将教授が、東京で開催された「「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議(IGEP)第2回会合」に参加しました。会合には、日本人委員3名と外国人委員6名が対面参加し、5名の外国人委員がオンラインで参加し、核兵器国、非核兵器国双方の委員が現在の安全保障環境やNPT体制の維持・強化、新STARTを巡る状況などについて議論を行いました。規範の維持・強化、具体的な核軍縮・軍備管理・信頼醸成措置、NPT運用検討プロセス強化のための措置を柱として会議の内容を取りまとめ、具体的なメッセージとすることの意義が確認されました。また、対面参加した委員は岸田文雄内閣総理大臣を表敬訪問し、軍縮関連の国会議員連盟と意見を交換しました。
民主主義・人権プログラム

「台湾の編集者が訪中後に連絡絶つ 拘束か、共産党批判の書籍も出版」へのコメント

2023年5月29日
2023年4月24日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「台湾の編集者が訪中後に連絡絶つ 拘束か、共産党批判の書籍も出版」と題された記事についてコメントしました。この記事は、台湾在住の李延賀さんが中国で逮捕された事件を概説してます。李氏は、ウイグル自治区の歴史や中国の海外宣伝工作に関する書籍を発行する出版社「八旗文化」の編集長を務めていました。市原教授は、本事件が中国共産党によるメディアコントロールが中国本土を超える形で強化されていることを示しているとコメントしました。また、中国政府に批判的な香港人が台湾に亡命した事件を踏まえ、中国共産党が香港と台湾のメディア関係者の繋がりとその中国本土への影響を警戒している可能性があると述べました。
民主主義・人権プログラム

「⽇本留学中の⾹港⼥⼦学⽣を逮捕 ⾹港警察、ネット上の 投稿を問題視」へのコメント

2023年5月23日
2023年4月20日、朝日新聞で一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「⽇本留学中の⾹港⼥⼦学⽣を逮捕 ⾹港警察、ネット上の 投稿を問題視」と題された記事についてコメントしました。本記事は一時帰国中に香港国家安全維持法違反の疑いで逮捕された、日本に留学中の香港人学生を取り上げています。女子学生の逮捕について、香港警察はネット上の香港独立に関する投稿が法に抵触したと説明しました。市原教授は、中国政府による抑圧が強まる中、海外で活動する人々の身辺にも危険が及ぶケースが多々あると説明しました。また、日本社会における人々の自由を支えるための措置を見直すなどの柔軟な対応が必要と述べました。最後に、日本国内での言論活動を理由にする逮捕と主権侵害の関係等、日本政府による問題提起も必要だと論じました。
民主主義・人権プログラム

「NYで中国の警察拠点を運営か 2人逮捕 NGO「欧州や日本にも」」へのコメント

2023年5月23日
2023年4月18日、朝日新聞で一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「NYで中国の警察拠点を運営か 2人逮捕 NGO「欧州や日本にも」」という記事についてコメントしました。本記事は、中国が米国で活動する中国人権活動家を監視する目的で米国に設置したと疑われる「警察業務拠点」で活動する中国系米国人の逮捕について報じています。市原教授は、中国が自国内で行う政治的抑圧に対する民主主義国家による批判は「名指しと恥さらし」であり、主権侵害に該当しない一方、中国政府による中国国外に対する監視は、主権範囲を超えた実力行使であり、「名指しと恥さらし」とは程度が異なる深刻な問題だとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

フェニス・テラエ大学 講演「習近平 ―中国の新たな皇帝か」[in Spanish]

2023年5月22日
2023年3月15日、GGRアシスタントでチリ人国際アナリストであるサッシャ・ハニグ・ヌニェス氏が、チリにあるフェニス・テラエ大学にて、中国における習近平氏の再選とそれが東アジア地域と民主主義世界にもたらす影響について講演を行いました。講演にはフェニス・テラエ大学に通う大学生を含むおおよそ260名以上の人が出席し、中国の情勢についてハニグ・ヌニェス氏と積極的に議論を交わしました。
民主主義・人権プログラム

民主的パートナーシップの強化に関するサニーランズ・イニシアティブ

2023年5月19日
2023年4月2日から4日にかけて豪州シドニーで開催された「民主主義パートナーシップ強化に関するサニーランズ・イニシアティブ」に、GGR研究員で、法学研究科及び国際・公共政策大学院教授の市原麻衣子教授が参加しました。教授を含む約25人の学者や実務家がシドニーに集まり、インド太平洋地域において民主主義が直面している脅威や、民主主義にとっての新たな機会、そして民主的規範やガバナンスを進展させるために求められる行動について議論しました。会議の成果として発表された共同声明では、インド太平洋地域における安定性や経済的繁栄、そして民主主義の発展のために、更なるアクションが必要だと論じられています。また、上記の目的を達成するために、当該地域の政府が民主主義に対するコミットメントを再確認することが呼びかけられました。
民主主義・人権プログラム

「政権転覆罪で実刑判決の中国活動家 語ること許されなかった覚悟と夢」へのコメント

2023年5月17日
2023年4月10日、朝日新聞で一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「政権転覆罪で実刑判決の中国活動家 語ること許されなかった覚悟と夢」と題された記事についてコメントしました。本記事は、中国で国家政権転覆罪で、それぞれ懲役10年以上の刑罰に課された人権活動家の許志永氏と丁家喜氏の声明を取り上げています。市原教授は、両氏による活動をより進んだ中国を作るための努力であると位置付けました。また、人々が求めるものを理解するためには、政府の声だけでなく、抑圧された声に耳を傾ける必要があると述べました。また、両氏の声明を日本国民に伝える本記事を「メディアが担うべき公共形成に寄与するもの」と評価しました。
グローバルリスク・危機管理プログラム

Japan’s approaches to nuclear non-proliferation and deterrence with Akiyama Nobumasa and William Alberque+International Institute for Strategic Studies(IISS) Podcast: Japan Memo

2023年5月16日
2022年4月21日、GGR研究員で国際・公共政策大学院長の秋山信将教授が、国際戦略問題研究所(IISS)が提供するポッドキャストシリーズのJapan Memoの「Japan's approaches to nuclear non-proliferation and deterrence with Akiyama Nobumasa and William Alberque」というエピソードに出演しました。教授はアジアにおける核問題のダイナミクスを分析し、岸田政権の核安全保障の問題への対応、軍縮の停滞したプロセスを再活性化するための日本の取り組みについて論じました。具体的には、日本を取り巻く核兵器開発のダイナミクス、米国の拡大核抑止の信頼性、核共有と核拡散に関する議論、日本の核不拡散・軍縮・軍備管理への政策やアプローチ、抑止力や核不拡散・軍縮・軍備管理に関する「グランドストラテジー」、2023年のシャングリラ・ダイアログにおける核問題への取り組みの重要性が議論されています。
民主主義・人権プログラム

フェニス・テラエ大学 講演「アジアにおける日本のリージョナルパワーとしての台頭」[スペイン語]

2023年5月16日
2023年3月13日、GGRアシスタントでチリの国際アナリストであるサッシャ・ハニグ・ヌニェス氏が、チリにあるフェニス・テラエ大学にて、最近のアジア太平洋の緊張が高まった情勢下における日本の安全保障戦略の変化について講演を行いました。
民主主義・人権プログラム

「インド太平洋の普遍的価値の擁護」-G7・日本の役割-

2023年5月15日
2023年3月28日、GGR研究員で法学研究科及び国際・公共政策大学院教授の市原麻衣子教授が公開シンポジウム「「インド太平洋の普遍的価値の擁護」-G7・日本の役割-」に参加しました。市原教授はアカデミアの観点から以下のように意見を述べました。教授は民主主義の置かれた状況を鳥瞰し、ウクライナ戦争を受けて民主主義と安全保障の連関の高まりが見られると指摘しました。一方でこの連関によって、国家間対立を好まないグローバルサウスが民主主義から距離を置く構図が生まれているとも指摘しました。教授が携わる「サニーランズ・イニシアティブ」は、各国、各個人間で分断されているアジアにおける難民支援を連続的・有機的につなぐものです。政府と市民社会を取り込んだマルチステークホルダーによるこのネットワークは、自由を求める個人を救うだけでなく、民主主義の対立的側面を和らげることができると主張しました。加えて、世界規模で見られるデモの発生は、自由への希求が人間の根源的な欲望であることを表していると分析しました。また、教授は市民社会のディスコースに注目する重要性や、権威主義体制が推進する非自由主義的民主主義から自由の要素を取り戻す必要性についても訴えました。