ニュース

グローバルリスク・危機管理プログラム

核兵器のない世界に向けた国際賢人会議(英語)

2025年11月25日
2025年4月28日、「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議(IGEP)」に関するサイドイベントが開催され、同会議の委員である秋山信将教授(法学研究科)が参加しました。本イベントでは、2026年核兵器拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けたIGEPの提言「核の瀬戸際からの後退:核兵器のない世界を目指す緊急行動」が紹介され、秋山教授はパネルディスカッションのモデレーターを務めました。ディスカッションでは、地政学的緊張や技術革新による核戦争リスクの高まりを踏まえ、国連憲章や国際人道法の遵守、国際的な対話・協力の促進、核抑止を安全保障の最終形態としないことなど、提言の主要原則について意見が交わされました。さらに、2026年再検討会議に向けた具体的な行動の可能性についても議論が行われました。秋山教授は、これらの原則は出発点であり、提言を核軍縮に向けた深く双方向的な議論のプラットフォームとして活用してほしいと述べました。
民主主義・人権プログラム

「旧ジャニーズ、性加害認め1年 国連部会メンバーが考える課題とは」へのコメント

2025年11月25日
2024年9月7日、朝日新聞に掲載された「旧ジャニーズ、性加害認め1年 国連部会メンバーが考える課題とは」に対する市原麻衣子教授(法学研究科)のコメントが公開されました。本記事は、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.〈スマイルアップ〉)による性加害問題について、国連人権理事会の「ビジネスと人権」に関する作業部会のメンバーであるピチャモン・イエオパントン氏へのインタビュー内容を報じたものです。市原教授は、日本社会に根強く残る「横並び」の慣習が、少数派や社会的弱者の人権を守るために、他者と異なる声を上げる行動を妨げている可能性があると指摘しました。そのうえで、各人が自らの信念に基づいて異なる意見を述べ、異なる行動を取ることが当たり前とされる社会になれば、人権侵害の被害者に対する支援の輪が広がっていくのではないかと述べました。
民主主義・人権プログラム

チリの中国依存と中台関係(英語)

2025年11月18日
2025年4月14日、法学研究科博士後期課程に在籍するハニグ・ヌニェズ・サッシャ氏が、Global Taiwan Institute (GTI) のポッドキャスト「チリの中国依存と中台関係」(Chile’s Cross-Strait Relations and its Dependence on China)(GTI Insights, Season 6 Episode 2)に出演しました。このエピソードでは、チリの鉱業における中華人民共和国(PRC)への依存と、それに関連するチリの中台関係に対する立場について解説しています。ハニグ氏は、チリの政治家が台湾問題に関して次第に親北京的な姿勢を強めていると指摘しました。また、CADなど一部のチリの団体がPRCによるスペイン語でのプロパガンダへの認識を高めようと努めている一方で、台湾政府はチリ社会に十分な存在感を確立できず、中国共産党の言説に対抗できていないと述べました。
民主主義・人権プログラム

「言葉を消費されて 『正義』に依存し個を捨てるリベラル 星野智幸」へのコメント

2025年11月18日
2024年8月27日、朝日新聞に掲載された「言葉を消費されて『正義』に依存し個を捨てるリベラル 星野智幸」に対する市原麻衣子教授(法学研究科)のコメントが公開されました。本記事は、作家の星野智幸氏が、同氏が2013年に朝日新聞に寄せた論考「『宗教国家』日本」を踏まえ、社会の分断が加速する中で、言葉が対話の手段としてではなく、同じ価値観を共有する者同士の共感や、異なる立場の人々への攻撃のために消費されている現状について、自身の思いを綴ったものです。市原教授は、相手の期待に合わせて自らの意見を変えるのではなく、誰に何を伝えたいのかという視点に立って発信内容を調整することこそ、望ましいアプローチではないかと述べました。
民主主義・人権プログラム

「記事は感情に訴えるべきでないのか 米国で長年議論、ナラティブの力」へのコメント

2025年11月12日
2024年7月1日、朝日新聞に掲載された「記事は感情に訴えるべきでないのか 米国で長年議論、ナラティブの力」に対する市原麻衣子教授(法学研究科)のコメントが公開されました。本記事は、米ジャーナリズム教育・研究機関「ポインター研究所」のチップ・スキャンラン氏へのインタビューを通じ、「語り」「物語」を意味し、エピソードを中心に構成される「ナラティブ記事」について、その実践や必要性について論じたものです。市原教授は、新聞記事を読者に届けるためには、読者自身が問題意識や主体性を持てるよう促すことが重要だと指摘しました。そのためには、記事の冒頭で個人や出来事の一側面に焦点を当てて感情を喚起し、そこから全体像へと視点を広げていくような構成が有効ではないかと述べました。
民主主義・人権プログラム

ミルクティー同盟日本 市原麻衣子

2025年11月5日
2025年3月23日、市原麻衣子教授(一橋大学大学院法学研究科)がインタビューを受けた、ミルクティー同盟日本(MTA Japan)のYoutube動画「ミルクティー同盟日本 市原麻衣子」が公開されました。MTA Japanは、市原教授が創設した団体で、アジア各国の自由と人権を守るために日本で活動するアジア人活動家によって構成されています。今回の動画では、市原教授がMTA Japan設立の背景や思いについて語っています。市原教授は、日本がアジアの民主活動家にとって重要な拠点となりつつある一方で、各国の活動家同士の連携が十分に取れていない現状に着目しています。彼らの連帯を促すことで、日本社会からアジア全体に変化をもたらしたいとの考えから、MTA Japanを設立したと述べています。今後は、活動家たちが私たちと同じ「普通の人」であり、同時に魅力的な存在であることを伝えることで、共感を広げ、支援と参加の輪を広げていきたいと語っています。
民主主義・人権プログラム

「トランプ再来で科学大国の座失う米国 サイエンス編集長が語るカオス」へのコメント

2025年10月20日
2025年3月17日、朝日新聞の記事「トランプ再来で科学大国の座失う米国 サイエンス編集長が語るカオス」に対する市原麻衣子教授(法学研究科)のコメントが公開されました。本記事は、米科学雑誌『サイエンス』の編集長ホールデン・ソープ氏へのインタビュー記事です。トランプ政権による研究費の大幅削減と研究者の大量解雇により、科学界をけん引してきた米国の地位が揺らいでいる状況を取り上げています。市原教授は、政権の目的は政府予算削減による減税や、学術界からのリベラル派の排除と保守派への置換であろうと推察しつつも、こうした政策は米国自身の凋落を招く行為であり、トランプ政権の掲げる対中競争力強化にも矛盾すると指摘しています。
民主主義・人権プログラム

中国に取り込まれるベネズエラ(英語)

2025年10月14日
2025年3月31日、法学研究科博士後期課程に在籍するハニグ・ヌニェズ・サッシャ氏がポッドキャスト「中国に取り込まれるベネズエラ」(China Uncensored)に出演しました。このポッドキャストでは、アルゼンチンにおいて反共・反中国共産党を掲げるハビエル・ミレイ大統領が当選したにもかかわらず、経済・軍事・技術の各分野で中国の影響力が拡大を続けている現状と、その背景が解説されています。ハニグ氏は、Huaweiの現地レベルでの浸透やアルゼンチン南部に建設された中国の宇宙観測基地の存在、南米全体をつなぐインフラ建設計画等に言及した上で、たとえ反中政権が誕生しても、中国の影響力は構造的に組み込まれており、簡単には排除できないことを指摘しました。
民主主義・人権プログラム

「在日民主活動家にカンボジアから圧力 国境越えた抑圧、研究者も警鐘」へのコメント

2025年10月8日
2025年2月6日、市原麻衣子教授(法学研究科)がインタビューを受けた朝日新聞の記事「在日民主活動家にカンボジアから圧力 国境越えた抑圧、研究者も警鐘」および、同記事に対する市原教授のコメントが公開されました。本記事は、首相一族による政治支配を強めるカンボジア政府が、日本に滞在する民主活動家の家族を拘束したり、日本から帰国した野党幹部を罪に問うなど、国外にいる人物を対象とした抑圧的な事例が相次いでいることを報じています。市原教授は、こうした他国政府による国境を越えた抑圧は、主権侵害を伴う人権侵害であると指摘し、アジア全域で民主主義が後退している現状に懸念を示しました。さらにコメントでは、カンボジアの和平プロセスおよび現政権の基礎形成において日本が一定の役割を果たしてきたことを踏まえ、日本は当事者意識を持ってカンボジアの現状に対処すべきだとの認識を示しました。
グローバルリスク・危機管理プログラム

<考論>核軍縮、日本も意思示せたはず 一橋大教授・秋山信将氏

2025年10月6日
2025年3月9日に、秋山信将教授(法学研究科)がインタビューを受けた朝日新聞の記事「<考論>核軍縮、日本も意思示せたはず 一橋大教授・秋山信将氏」が公開されました。本記事では、昨今の国際情勢における、核抑止力及び核軍縮を巡る注目すべき動向を取り上げています。一例として、ロシアのウクライナ侵攻により、核兵器の使用リスクが現実味を帯び、核軍縮が安全保障の文脈で語られるようになったことが挙げられています。秋山教授は、日本政府が核兵器禁止条約第3回締約国会議への参加を見送った点に言及し、会議に正式に参加せずとも、条約の枠を超えた環境や人的被害への補償、安全保障環境の改善による核軍縮促進などについて、日本として意思表示をする余地はあったと述べています。そして、現時点で可能な取り組みを着実に実行することの重要性を強調しました。