出版物
総選挙後における岸田首相の重責 −国内と世界政治における民主主義の推進
要旨2021年10月31日の総選挙では自民党が261議席を確保し、絶対安定多数を維持した。そのような中、著者は、絶対安定多数にある岸田政権が取り組むべき課題として、国内政治における民主主義の回復、および世界政治における民主主義促進のための現実的な外交政策実施の二つを指摘する。国内的には、森友・加計問題や桜を見る会を巡るスキャンダルなど、「報道の自由」に関する問題を改善する必要性を指摘している。また、国際的には岸田政権が「消極的な現実主義」から「現実的な積極的平和主義」に転じることで、国内政治と国際政治の双方において民主主義に貢献する可能性があると論じる。ひいては、これが国際社会における日本の威信の向上に繋がる可能性にも言及している。
カンボジアの「ウィン・ウィン政策」は危機的状況にあるミャンマーにも有効か?(ビルマ語)
要旨この論文では、フン・セン首相とミャンマーの現軍事政権との関係の中で、カンボジアの「ウィン・ウィン政策」を関連付けている。
Dissidents.org–- ストーリー(英語)
要旨プロジェクト「Dissidents.org」は、自由と民主主義を主張する世界各国の活動家たちのインタビューを集めたもので、彼ら自身のストーリーや実体験をさらけ出している。
腐食性資本:チリの事例(スペイン語)
要旨この出版物は、権威主義国家の企業がチリ国内で行った投資やプロジェクトに関するFPPの調査結果である。結論としては、腐食的な影響を防ぐための制度の役割を指摘している。また、他の中南米諸国への提言もなされている。
侵食される民主主義 上・下(勁草書房)
要旨いま民主主義国は、権威主義国から影響力工作や「シャープパワー」で侵略され、国内ではイデオロギー分断が生じている。この外からの攻撃と内からの自壊を包括的に捉える画期的な民主主義本がついに登場。最近の民主主義の後退を最初に指摘した「ミスターデモクラシー」ことダイアモンド教授による警告と、再生に向けた処方箋。
重層化する国際秩序と日本
要旨米中が異なる秩序観を持ち、対立が構造化するなかで、人権、 民主主義、 経済安全保障などをめぐる外交領域が拡大している。多様なアクターが参画する新たなアリーナに日本は果敢に参入し、行動することが求められる。
バイデンの民主主義サミットを世界が評価(英語)
要旨日本に関する担当部分にて、著者は民主主義サミットは政権が推進している自由で開かれたインド太平洋(FOIP)のビジョンと一致していると述べている。とはいえ、地域の協力関係を強化するために、東京はより包括的なアプローチを提唱していただけに、この招待は微妙である。招かれていなくても、日本が他の国に働きかけることができるような、地域的な会議を行うべきだと著者は提言している。