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民主主義・人権プログラム

「民主主義は衰退しているのか?インド太平洋地域秩序への示唆」の出演 [in English]

2024年2月15日
2023年11月24日、慶應義塾大学戦略研究センターは「民主主義は衰退しているのか?インド太平洋地域秩序への示唆」と題し、法学研究科の市原麻衣子教授が参加した対話プログラムの映像を公開しました。この対話プログラムでは、グローバル・デモクラシーの現状と将来、そしてインド太平洋地域への影響について議論されています。市原教授は、2006以降民主主義の後退と呼ばれる現象が起きているとした上で、インド太平洋地域は北朝鮮や中国のような完全な独裁国家から日本や韓国、台湾のような比較的回復力のある民主主義国家まで多様なタイプの政治体制があるという意味で非常に特徴的な地域であると述べました。また、権威主義国家による影響工作は、他国の行動や政策変更を勝ち取るために情報を歪めようとするものだが、それが効果的であると考えられるのは対象国の社会が分裂してる場合であると指摘しました。影響工作においては、中国とロシアが中心的なアクターであるが、両国は全く異なる手法を用いる傾向にあると述べた上で、近年の日本における処理水排出をめぐる偽情報の拡散は、中国がロシアと同様の手法を用いるようになってきていることを示唆すると指摘しました。さらに、影響工作に対して民主主義を守るために日本ができることは複数あるが、日本社会として、そして日本政府としてなすべき重要なことの一つは、日本社会においてだけでなく、他の国の社会においても、うまく分断を埋めることであるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「2023GCTFメディアリテラシーフォーラム ―偽情報と誤情報に対する民主的レジリエンスを構築する」での講演

2024年2月7日
2023年11月11日、法学研究科の市原麻衣子教授が「2023 GCTFメディアリテラシーフォーラム」と題するフォーラムで講演を行いました。このフォーラムは、台湾、米国、オーストラリア、日本などのアジア太平洋地域における民主主義国家が、どのようにグローバルな協力を行い、偽情報や誤情報といった情報の脅威に対して強靭な民主主義を育むことができるかに関する効果的な戦略を探ることを目的としています。市原教授は、近年の日本の社会問題に対する中国やロシアの偽情報の影響について、偽情報源や影響力の形態・特徴、現状の政府による対策や将来的な国境を超えた協力の必要性に関して統計的なデータを用いて論じました。
民主主義・人権プログラム

「荒唐無稽な陰謀論と虚偽の噂は中国の新たな武器」へのコメント[in Danish]

2024年2月1日
2023年12月4日にデンマークのBerlingske紙の記事、「荒唐無稽な陰謀論と虚偽の噂は中国の新武器」に対する民主主義・人権プログラム客員研究員の游知澔氏のコメントが公開されました。この記事では、インフルエンサー、メディア、若者の世界的ネットワークが、突飛な陰謀論や誤報を通じて、北京を愛し米国を恐れるようになることを望んでおり、台湾人ほどそれを感じている人はいないとした上で、特に4つのトピックの脆弱性について語られています。游氏は、大規模なデータ収集による中国の誤報、フェイクニュース、プロパガンダに関する研究に基づき、デジタルプラットフォームやソーシャルメディアを通じて情報を操作し、台湾に影響を与えようとする中国の試みは大規模であると述べました。そして、中国は情報操作を行う最大の外国勢力であり、台湾の経験は、世界が学ぶべきものであるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「日本留学中のSNS投稿で実刑 香港の裁判所、国家分裂扇動罪を認定」へのコメント

2024年1月18日
2023年11月3日に朝日新聞の記事、「日本留学中のSNS投稿で実刑 香港の裁判所、国家分 裂扇動罪を認定」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、日本に留学中の女子大学生が、SNSで香港独立を支持する投稿をしたなどとして国家分裂扇動罪に問われ、香港裁判所において禁錮2か月の実刑判決を言い渡されたことに関する内容です。市原教授は、たとえ学生によるSNSでの書き込みが過激だったと所属大学が判断したとしても、思想・言論の自由に基づいて行われた行為を理由に実刑判決が言い渡された事実に対して、所属大学が抗議声明を発出しないのはあまりにも無責任であると述べました。また、日本国内で行われた言動に対して国家安全維持法を適用するのは明確な主権侵害であり、日本の領域内で活動する香港人の尊厳と安全をいかにして守るのかに関して、日本政府は明確な施策を発表すべきであるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「ミャンマー少数民族武装勢力、北東部で攻勢 国軍拠点など多数占拠か」へのコメント

2024年1月11日
2023年11月1日に朝日新聞の記事、「ミャンマー少数民族武装勢力、北東部で攻勢 国軍拠点など多数占拠か」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、ミャンマー北東部で10月、三つの少数民族武装勢力が、「独裁を終わらせる」ためとして、国軍への攻撃を強めたことに関する内容です。市原教授は、民主派の国民統一政府(NUG)は、ミャンマー国軍からの兵士の離脱を促す試みを行っており、実際に治安部隊、兵士、警察の国軍からの離脱者が増加していると述べました。その背景には、国軍指導部から下士官への保険金未払いや軍企業株の購入強制などもあり、国軍の士気が下がっていると指摘した上で、今回の北東部での少数民族武装勢力による攻勢は、ミャンマーの今後を占うものであるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「誰が次期大統領でも中国が最優先 焦る米国「多正面作戦」の余裕なく」へのコメント

2024年1月10日
2023年10月25日に朝日新聞の記事、「誰が次期大統領でも中国が最優先 焦る米国「多正面作戦」の余裕なく」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、二期目を目指すバイデン大統領が、国民向けの演説で語った、権威主義的な動きの強まりと国内外での民主主義の揺らぎに直面する中、米国が次の国際秩序を主導するために大きな課題となる中国との競争に関する内容です。市原教授は、戦後アメリカに依存してきた日本はアメリカの相対的国力低下を受け、日本が国際秩序安定のための役割を果たす必要があると指摘した上で、日本人一人一人が自分事として捉えて、リスクを恐れず革新をもたらす人材になれるよう努めることが重要であるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「「外国語は入り口」 東京外大学長が語るアフガン教員受け入れのわけ」へのコメント

2023年12月25日
2023年10月25日に朝日新聞の記事、「「外国語は入り口」 東京外大学長が語るアフガン教員受け入れのわけ」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、東京外国語大学が、同大への留学経験があるハシブラ・モワヘドさんを臨時教員として受け入れたことに関するものです。市原教授は、時間や金銭をある程度犠牲にしても人を助けようとする東京外国語大学の今回の動きは、真の多様性と社会問題解決能力の育成にとって大変重要であると指摘しました。一方、こうした活動には多大な労力が必要であり、大学教授が消耗することを防ぐためには、政府からの支援が必要であるとコメントしました。

「世界を支える一橋に」対談

2023年12月19日
2023年10月24日に一橋大学の統合報告書が公開され、「世界を支える一橋に」というテーマで行われた山田敦副学長と市原麻衣子教授(役員補佐)の対談が掲載されました。この対談では、一橋大学の国際戦略について、今までの成果とこれからの方向性に関して意見が述べられています。山田・市原両教授は、「多様化」「ネットワーク化」「オンライン化」という三つの柱を維持・発展させると同時に、これからの一橋大学の国際戦略・国際交流では、長期的に世界の平和と秩序を担う人材を輩出すること、大学自体が世界秩序の維持に貢献すること、アジアにおける社会科学のハブとしての役割を果たすことに力を入れるべきだと述べています。
民主主義・人権プログラム

 「『それでも私の民族だ』 ―ミャンマー離散民、祖国での民主主義闘争を支援」に関するインタビュー

2023年12月15日
2023年9月25日、アルジャジーラは「『それでも私の民族だ』 ―ミャンマー離散民、祖国での民主主義闘争を支援」と題された記事で、国際公共政策大学院の修士課程に在籍するニン・テ・テ・アウン氏にインタビューを行いました。この記事は、2021年2月の軍事クーデターによって拍車がかかった民主化運動を、海外に住むミャンマーの人々が限られた国際的な支援でどのように支えているかに焦点を当てています。ニン・テ・テ・アウン氏は、東京の地下鉄の駅の外に募金箱を持って立ち、人道的な活動への寄付を募り、日本の同世代の人々の意識と共感を高めるために行った活動についてインタビューを受けました。彼女は、「私は日本にいますが、祖国のために何ができるか、何をすべきかをいつも考えています。それが祖国に貢献する私の責任です。」と話しています。
グローバルリスク・危機管理プログラム

「NPT、公式文書化を断念 準備委閉幕、ロシアやイラン反発のまま」へのコメント

2023年12月12日
2023年8月13日に朝日新聞の記事、「NPT、公式文書化を断念 準備委閉幕、ロシアやイラン反発のまま」に対する国際・公共政策大学院院長の秋山信將教授のコメントが公開されました。この記事は、ロシアやイランなどの当事国の批判で、2026年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が11日、議長総括草案を公式文書として残せないという異例の事態で閉幕したことに関する内容です。秋山院長は、NPT体制が直面する国際情勢の厳しさを示したとした上で、ロシアのウクライナ侵攻や中国の核戦力の増強など、戦略的な対立が影を投げかけているとコメントしました。