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民主主義・人権プログラム

 「『それでも私の民族だ』 ―ミャンマー離散民、祖国での民主主義闘争を支援」に関するインタビュー

2023年12月15日
2023年9月25日、アルジャジーラは「『それでも私の民族だ』 ―ミャンマー離散民、祖国での民主主義闘争を支援」と題された記事で、国際公共政策大学院の修士課程に在籍するニン・テ・テ・アウン氏にインタビューを行いました。この記事は、2021年2月の軍事クーデターによって拍車がかかった民主化運動を、海外に住むミャンマーの人々が限られた国際的な支援でどのように支えているかに焦点を当てています。ニン・テ・テ・アウン氏は、東京の地下鉄の駅の外に募金箱を持って立ち、人道的な活動への寄付を募り、日本の同世代の人々の意識と共感を高めるために行った活動についてインタビューを受けました。彼女は、「私は日本にいますが、祖国のために何ができるか、何をすべきかをいつも考えています。それが祖国に貢献する私の責任です。」と話しています。
グローバルリスク・危機管理プログラム

「NPT、公式文書化を断念 準備委閉幕、ロシアやイラン反発のまま」へのコメント

2023年12月12日
2023年8月13日に朝日新聞の記事、「NPT、公式文書化を断念 準備委閉幕、ロシアやイラン反発のまま」に対する国際・公共政策大学院院長の秋山信將教授のコメントが公開されました。この記事は、ロシアやイランなどの当事国の批判で、2026年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が11日、議長総括草案を公式文書として残せないという異例の事態で閉幕したことに関する内容です。秋山院長は、NPT体制が直面する国際情勢の厳しさを示したとした上で、ロシアのウクライナ侵攻や中国の核戦力の増強など、戦略的な対立が影を投げかけているとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「フォーラム2000 -民主的な世界秩序に向けて」での議論 [in English]

2023年12月8日
法学研究科の市原麻衣子教授は2023年10月16日、フォーラム2000が主催した国際会議「フォーラム2000 -民主的な世界秩序に向けて」において開催されたパネル、「ウクライナにおける戦争とその世界的影響」に登壇しました。このパネルでは、ロシアのウクライナ侵攻の影響が全世界に広がり、新しい国際秩序を求める動きが顕在化している中で、今後世界で何が起こるのか、民主主義国間の協力や国連の在り方等に関する議論が行われました。市原教授は、日本をはじめとするアジアにおける前向きな要素として、ウクライナを放棄することはロシアのような修正主義的権威主義国による現状変更を容認することになるため、ウクライナを手放すことはできないという認識が共有されている点を挙げました。その一方で懸念される要素として、民主主義対権威主義という枠組みがグローバル・サウスからイデオロギー戦争のように受け取られたと指摘しました。そして国際社会においてリベラルな言説を維持しつつ、グローバル・サウスを含む他の国々と良好な協力関係を構築していく方途について考える必要があると論じました。
民主主義・人権プログラム

「TikTokがセキュリティ上の脅威であるかをめぐる議論」に関するインタビュー[in English]

2023年12月6日
2023年10月6日、法学研究科博士課程に在籍するサッシャ・ハニグ・ヌニェズ氏が出演したインタビュー「TikTokが安全保障上の脅威であるかどうかをめぐる議論」がCADALTVによって公開されました。このインタビューは、TikTokとは何か、ByteDanceの他のプラットフォームとの違いは何か、安全保障上の問題やその他の懸念から、一部の国がTikTokや他のプラットフォームの使用を制限しているのはなぜか、に焦点を当てて説明しています。ハニグ氏は、TikTokが軍事ツールになる可能性から、主な消費者である未成年者の意見を誘導する能力に至るまで、様々な論争や疑問を免れないと説明しました。
民主主義・人権プログラム

「世界ランキングは上なのに、国際卓越研究大学に京大が落選」へのコメント

2023年12月5日
2023年9月1日に朝日新聞の記事、「世界ランキングは上なのに、国際卓越研究大学に京大が落選」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、世界トップクラスの研究力をめざす「国際卓越研究大学」の初の選考結果が2023年9月1日に文部科学省から公表され、東大や京大が落選したと伝えています。市原教授は、国際ランキングが高い大学だけが補助の対象になるのであれば、既存の社会構造を強化するだけとなり、変革は生まれにくくなるため、先入観を破り、進化する組織や人をサポートするのがあるべき姿であるとコメントしました。また、このような記事タイトルは人々の先入観を固定化する作用を持ちかねないことも併せて指摘しました。
民主主義・人権プログラム

「いわき市へのふるさと納税が7倍に 「魚を食べて応援したい」続々と」へのコメント

2023年11月24日
2023年8月31日に朝日新聞の記事、「いわき市へのふるさと納税が7倍に「魚を食べて応援したい」続々と」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、東京電力福島第一原発の処理水の海への放出に伴い、福島県いわき市へのふるさと納税が好調となり、通常の約7倍にのぼる寄付が全国から寄せられていることに関する内容です。市原教授は、今回の中国の手法は典型的な影響工作であり、中国政府による威圧的な姿勢はむしろ日本国内を対中団結させる傾向にある点を指摘したうえで、このような影響工作に直面した際は、過剰反応しないことが最善であり、いわき市の水産業をふるさと納税で支えようといった動きは理想的であるであるとコメントしました。
グローバルリスク・危機管理プログラム

「G7広島 総括」出演

2023年11月17日
2023年6月3日に国際政治チャンネルにて、国際・公共政策大学院院長の秋山信將教授が出演した番組「G7広島 総括」が公開されました。この番組は、2023年5月19日から21日まで開催されたG7広島サミットにおける各国首脳の芳名録の解説や慰霊碑への献花に関する解説、G7+ウクライナの首脳会談の解説などに関する内容です。秋山院長は、岸田首相とバイデン大統領の芳名録に書かれた言葉に少し余韻が欠けているとした上で、芳名録に刻まれた言葉は、核兵器を使わない、そして広島での悲劇が人類にとって如何なるものであるかを提示するという側面で大きな意義があったと述べました。また、広島市民が期待する「核なき世界」を実現するには、ロシアや中国、イラン、インドなどの国々との連携も不可欠であると述べました。さらに、岸田首相と共に尹大統領が慰霊碑に献花したことは、在日韓国人被爆者にとって意義が大きく、日韓関係の和解に向けた動きの一つとしても重要であったとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「中国の全面禁輸「想定外」 政治問題化する処理水放出…不信募る日本」へのコメント

2023年11月17日
2023年8月24日に朝日新聞の記事、「中国の全面禁輸「想定外」 政治問題化する処理水放出…不信募る日本」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を受け、日本産水産物の全面禁輸というカードを中国が切ったことに対し、日本からは「想定外」「異常な対応」との声が上がり、政治的解決の糸口も見えない状況を説明しています。市原教授は、処理水放出に関する中国政府の対応の背後には三つの政治的意図があると指摘しています。第一に、日本国内にも処理水放出への反対論が存在していたことを踏まえ、日本国内における対立を煽ろうとしている点です。第二に、尹政権下での日韓の接近を中国が警戒しており、処理水放出に反対する人々に対するモラルサポートを提供することで対日感情の悪化を促進しようとしているという点です。そして第三に、中国の国内世論を意識し、反日ナショナリズムをカードとして用いたという点です。
民主主義・人権プログラム

「「恋しい。でも今は無理」性的少数者が日本を出てカナダを選ぶ理由」へのコメント

2023年11月13日
2023年8月17日に朝日新聞の記事、「「恋しい。でも今は無理」性的少数者が日本を出てカナダを選ぶ理由」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、日本社会に生きづらさを感じ、性的少数者が暮らしやすいとされるカナダに渡った日本人に関する内容です。市原教授は、性的志向の如何に関わらず全ての人が尊重されるのは、本来当然あるべき社会の姿であるとした上で、日本は、他国政府が行う抑圧を適切に批判するとともに、自国内での差別の解消にも努め、誰もが尊厳を守られる社会を作る必要があるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「(社説)日本と韓国 後戻りさせない努力を」へのコメント

2023年11月6日
2023年8月16日に朝日新聞の記事、「(社説)日本と韓国 後戻りさせない努力を」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、韓国の尹錫悦 (ユンソンニョル)大統領が、日本と安全保障や経済面での協力を強化していくと表明したことに対して、日韓関係改善に期待感を寄せつつ、関係を後戻りさせないための教訓をくみ取ることの大切さを論じています。市原教授は、地域秩序に対する中国の挑戦が拡大する中、尹⼤統領の強⼒なイニシアティブによる日韓関係改善の動きの重要性を強調しました。また、市原教授は、韓国社会に大きな分断が存在していることを指摘した上で、日本は日韓関係改善の方向を固定化させるために、政府として韓国野党側も納得するような真摯な動きを取るとともに、個々の日本人も自らのナショナリズムを省みる必要があるとコメントしました。