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民主主義・人権プログラム

「国連の特別報告者がミャンマー制裁訴え 「役割重要」と日本に提言」へのコメント

2023年6月8日
2023年4月27日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「国連の特別報告者がミャンマー制裁訴え 「役割重要」と日本に提言」と題された記事についてコメントしました。この記事は、国連特別報告者のトーマス・アンドリュース氏が、ミャンマーにおける国軍による市民への弾圧や空爆などを踏まえ、日本政府が果たす「役割は重要」との提言を行ったことを取り上げています。市原教授は、2020年に策定された「「ビジネスと人権」に関する行動計画」が企業のみならず政府にも人権の尊重を求めていることから、ODAによって日系企業が人権保護上甚大な問題を抱えた相手に支払いをするという構図は解消されるべきだとコメントしました。さらに、ASEANに任せたままとなっているミャンマー問題の解決が大きな収穫を得ておらず、次期議長国になるラオスが本件においてリーダーシップをとることが難しいと想定されることから、積極的な日本政府のイニシアティブが必要だと論じました。
民主主義・人権プログラム

「日本がODAで提供した旅客船、ミャンマーが兵士輸送などで軍事利用」へのコメント

2023年6月6日
2023年4月27日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「日本がODAで提供した旅客船、ミャンマーが兵士輸送などで軍事利用」と題された記事についてコメントしました。この記事は、日本政府が非軍事分野に限定する途上国援助(ODA)でミャンマーに対して供与した旅客船が、兵士や武器の輸送に使われたと報じています。市原教授は、外務省の対応がミャンマーに対して目的外使用の再発防止の申し入れを行うことに留まったことは、ODAと軍事関与の関係性を完全に断つのものではないため偽善的だとコメントしました。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻に対してはイニシアティブを発揮する一方、ミャンマー国軍による一般市民の大規模殺人には消極的な態度を示している日本政府は、アジアの大国かつ民主主義国家としてアジアにおける規範的リーダーシップを発揮するために、ミャンマーにおける事態にも積極的に対応するべきだと述べました。
民主主義・人権プログラム

「ゼレンスキー氏に「和平と対話」説いた習氏 伏線となった首脳会談」へのコメント

2023年6月5日
2023年4月27日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「ゼレンスキー氏に「和平と対話」説いた習氏 伏線となった首脳会談」と題された記事についてコメントしました。この記事は、ロシアによる侵攻後初めて行われた習近平国家主席とゼレンスキー大統領との電話協議と習氏の発言の意味を概説しています。市原教授は、習近平国家主席が中国は一貫して平和の側に立ち、和平を促す役割を果たすと強調してきたことは表向きの立場に過ぎないと指摘します。理由として、中国が反米・反NATOのメッセージ発信、偽情報とプロパガンダの拡散といった手法でロシアに対する支援を続けてきたことを挙げました。したがって中国が真に中立的な立場で仲介役になることは幻想であり、期待できないと述べました。
民主主義・人権プログラム

「強権の祖国を捨て、あらがうロシア人たち ウクライナに寄せる思いは」へのコメント

2023年6月2日
2023年4月24日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「強権の祖国を捨て、あらがうロシア人たち ウクライナに寄せる思いは」と題された記事についてコメントしました。この記事は、ロシアによるウクライナ侵攻後、プーチン大統領を批判するイラストを公開し、その後身辺の理由でセルビアに亡命したロシア人の話を紹介しています。市原教授は、身柄を拘束されたり、海外へ逃亡や国籍を捨てることを余儀なくされたりと、ロシア人としてプーチンの戦争に反対する人々の苦痛は想像を絶するものだとコメントしました。また、戦争によるロシア人の知識階級の海外流出やフィンランドとスウェーデンのNATO加盟は独裁政治がもたらす悪影響を示していると評価しました。
民主主義・人権プログラム

ノルディックトークスジャパン「デジタル社会における平和と民主主義の進め方」

2023年5月31日
2023年4月26日、法学研究科及び国際・公共政策大学院教授でGGR研究員の市原麻衣子教授が、ノルディックイノベーションハウス東京が開催した「ノルディックトークスジャパン「デジタル社会における平和と民主主義の進め方」」に参加しました。イベントでは、北欧と日本の第一線の専門家が、平和と民主主義を促進するためのデジタル技術の活用法について議論を行いました。市原教授は、デジタル技術の普及は国際関係に対する影響力を市民に与えたと指摘しました。また、ソーシャルメディアが持つ、市民による異議申し立ての場としての価値を評価しつつ、そこでのコミュニケーションがしばしば同質の見解を持つ人の間のみで行われてしまうことに注意を呼びかけました。最後に教授は、AI技術が権威主義国家において監視目的で利用されている現状を指摘し、国家による監視から市民を守るための技術の利用方法を工夫するべきだと述べました。
グローバルリスク・危機管理プログラム

「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合

2023年5月30日
2023年4月4日から5日にかけて、GGR研究員で国際・公共政策大学院学長の秋山信将教授が、東京で開催された「「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議(IGEP)第2回会合」に参加しました。会合には、日本人委員3名と外国人委員6名が対面参加し、5名の外国人委員がオンラインで参加し、核兵器国、非核兵器国双方の委員が現在の安全保障環境やNPT体制の維持・強化、新STARTを巡る状況などについて議論を行いました。規範の維持・強化、具体的な核軍縮・軍備管理・信頼醸成措置、NPT運用検討プロセス強化のための措置を柱として会議の内容を取りまとめ、具体的なメッセージとすることの意義が確認されました。また、対面参加した委員は岸田文雄内閣総理大臣を表敬訪問し、軍縮関連の国会議員連盟と意見を交換しました。
民主主義・人権プログラム

「台湾の編集者が訪中後に連絡絶つ 拘束か、共産党批判の書籍も出版」へのコメント

2023年5月29日
2023年4月24日、朝日新聞に一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「台湾の編集者が訪中後に連絡絶つ 拘束か、共産党批判の書籍も出版」と題された記事についてコメントしました。この記事は、台湾在住の李延賀さんが中国で逮捕された事件を概説してます。李氏は、ウイグル自治区の歴史や中国の海外宣伝工作に関する書籍を発行する出版社「八旗文化」の編集長を務めていました。市原教授は、本事件が中国共産党によるメディアコントロールが中国本土を超える形で強化されていることを示しているとコメントしました。また、中国政府に批判的な香港人が台湾に亡命した事件を踏まえ、中国共産党が香港と台湾のメディア関係者の繋がりとその中国本土への影響を警戒している可能性があると述べました。
民主主義・人権プログラム

「⽇本留学中の⾹港⼥⼦学⽣を逮捕 ⾹港警察、ネット上の 投稿を問題視」へのコメント

2023年5月23日
2023年4月20日、朝日新聞で一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「⽇本留学中の⾹港⼥⼦学⽣を逮捕 ⾹港警察、ネット上の 投稿を問題視」と題された記事についてコメントしました。本記事は一時帰国中に香港国家安全維持法違反の疑いで逮捕された、日本に留学中の香港人学生を取り上げています。女子学生の逮捕について、香港警察はネット上の香港独立に関する投稿が法に抵触したと説明しました。市原教授は、中国政府による抑圧が強まる中、海外で活動する人々の身辺にも危険が及ぶケースが多々あると説明しました。また、日本社会における人々の自由を支えるための措置を見直すなどの柔軟な対応が必要と述べました。最後に、日本国内での言論活動を理由にする逮捕と主権侵害の関係等、日本政府による問題提起も必要だと論じました。
民主主義・人権プログラム

「NYで中国の警察拠点を運営か 2人逮捕 NGO「欧州や日本にも」」へのコメント

2023年5月23日
2023年4月18日、朝日新聞で一橋大学大学院法学研究科教授・GGR研究員の市原麻衣子教授のコメントが紹介されました。教授は同日に公開された「NYで中国の警察拠点を運営か 2人逮捕 NGO「欧州や日本にも」」という記事についてコメントしました。本記事は、中国が米国で活動する中国人権活動家を監視する目的で米国に設置したと疑われる「警察業務拠点」で活動する中国系米国人の逮捕について報じています。市原教授は、中国が自国内で行う政治的抑圧に対する民主主義国家による批判は「名指しと恥さらし」であり、主権侵害に該当しない一方、中国政府による中国国外に対する監視は、主権範囲を超えた実力行使であり、「名指しと恥さらし」とは程度が異なる深刻な問題だとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

フェニス・テラエ大学 講演「習近平 ―中国の新たな皇帝か」[in Spanish]

2023年5月22日
2023年3月15日、GGRアシスタントでチリ人国際アナリストであるサッシャ・ハニグ・ヌニェス氏が、チリにあるフェニス・テラエ大学にて、中国における習近平氏の再選とそれが東アジア地域と民主主義世界にもたらす影響について講演を行いました。講演にはフェニス・テラエ大学に通う大学生を含むおおよそ260名以上の人が出席し、中国の情勢についてハニグ・ヌニェス氏と積極的に議論を交わしました。