要旨
2023年5月31日に、一橋大学大学院法学研究科の竹村仁美教授の著書、『ロヒンギャ危機と国際刑事裁判所』がシュプリンガー社から出版されました。この書籍は、国際刑事裁判所(ICC)とロヒンギャ危機の関係を厳密に検証しています。本書は、特にICCとロヒンギャ問題との関連に焦点を当てながら、ICCの現代的課題を浮き彫りにしています。ミャンマーはICC規程の非締約国であることから、ロヒンギャ危機とICCの関係は複雑になっています。本書は、現在進行中のこの問題について最新の情報をもとに国際法の観点から分析を行うものです。竹村教授は、ロヒンギャ危機の歴史の説明、ロヒンギャ危機とICCの関係性、ICJのガンビア対ミャンマー事件とICCの進展との関連の議論などを本書で展開しています。そしてICCの正当性、実効性、効率性に関する最終的な評価に関しても議論しています。