要旨
2024年2月16日に、法学研究科博士課程に在籍するサッシャ・ハニグ・ヌニェズ氏が執筆した論文「スペイン語圏YouTubeにおける中国国営メディアの存在感の分析」がフリーダムハウスから出版されました。本論文でハニグ氏は、中国国営メディアの世界的な拡大が進む中、コンテンツ分析などの手法を用いて、2016年以降に公開された14,000本以上のYouTube動画における中国メディア・グループのスペイン語番組の存在感、リーチ、ナラティブ、戦略を検証しました。China Global Television Network (CGTN)と新華通信社、ホラ・チャイナが公開した動画をケーススタディとして比較分析することを通して、それらのリーチと影響力は限定的であると述べました。また、テーマの絞り込み、視聴者のターゲティング、他国政府のナラティブの増幅など、多様な戦略があるものの、視聴者の関心を引き、フォロワーを増やし、政治的視点をさりげなく主張するために、大量のコンテンツ制作に注力しているという共通点が浮かび上がると指摘しました。