民主主義・人権プログラム
曖昧な「国境」としての香港
出版日2024年2月15日
著者名市原麻衣子
要旨 2024年2月15日に、法学研究科の市原麻衣子教授が執筆した記事、「曖昧な「国境」としての香港」が『信濃毎日新聞』に掲載されました。本記事で市原教授は、香港の民主活動家の指名手配を事例とし、香港という場所の特殊性に起因して香港が抱える法的・政治的課題に関して論じています。香港返還後も海外との接触が容易で自由を享受する香港人は、党の影響下にある香港政府が強める抑圧に対抗し、特に19年の反政府デモは象徴的事例になったと述べました。また、強まる反政府的な声を抑え込むために、中国共産党は偽情報の拡散を海外にまで拡大させたと指摘しました。さらに市原教授は、香港政府は新しい国家安全保障条例の制定を準備しており、曖昧な国境としての香港を通じて中国共産党が海外への影響拡大を図る動きに懸念を示しました。