【GGRブラウンバッグランチセミナー】コロンビアのサブナショナル民主主義に対する戦争と市民寡頭政治家の影響
日にち2024年3月1日(金)
時間12:30-13:30
開催場所マーキュリータワー3302号室
イベント概要

2024年3月1日、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、ジャン・ボーステン博士(ベルリン自由大学博士研究員;オックスフォード大学アソシエイト・メンバー)を講師に迎え、第26回GGRブラウンバッグランチセミナー「コロンビアのサブナショナル民主主義に対する戦争と市民寡頭政治家の影響」を開催しました。

 

ボーステン博士はまず、コロンビアにおける民主主義と暴力の歴史を説明し、「コロンビアのパラドックス」あるいは「コロンビアのパズル」について論じました。このパズルは、コロンビアにおいて、準軍事組織からコロンビア革命軍に至るさまざまな種類の武装集団による暴力にさらされているにもかかわらず、同国の制度レベルが高く、民主主義が持続していることを説明しようとします。言い換えれば、コロンビアは長い間、暴力に対処しながらも、民主主義の制度化が比較的進んできました。ボーステン博士は、コロンビアは現在でも世界のコカイン供給の約80%を生産していることから、暴力が本質的には麻薬取引や麻薬カルテルと関係していると指摘しました。また、コロンビアの武装グループとの主な和平プロセスや、それらがどのように組織的・政治的結果をもたらしたかについても議論しました。

 

次にボーステン博士は、コロンビアの「寡頭政治(oligarchy)」という概念について議論しました。博士によれば、コロンビアには2つの形態の寡頭政治があるといいます。一方は、政治的な一族である、市民寡頭政治家であり、もう一方は、 時代とともに進化し、地域的な暴力を独占・行使する武装勢力としての戦争寡頭政治家です。これらのつながりが、コロンビアのサブナショナル民主主義を動かしているといいます。博士は、準軍事組織は特に農村部で活動し、都市中心部以外の地域を支配していると説明しました。最後に、ボーステン博士は「パラポリティカ(parapolítica)」について議論しました。「パラポリティカ」とは、暴力とコロンビアの議会議員を結びつける現象で、議員が武装集団の脅威を背景に行動し、その結果、政治制度が犯罪化されると説明しました。

セミナーの最後には、現在のエクアドルでの治安悪化における2017年の和平プロセスの帰結や、制度と暴力の共存について、参加者から質問が挙がりました。

【イベントレポート作成】

ハニグ ヌニェズ・サッシャ(一橋大学大学院法学研究科博士後期課程)

ラクウォン パキット(一橋大学大学院法学研究科博士後期課程)

中島崇裕(一橋大学大学院法学研究科博士前期課程)