民主主義・人権プログラム
日韓はアジアの難民も支援を 〈多思彩々〉
出版日2023年8月6日
書誌名信濃毎日新聞
著者名市原麻衣子
要旨 2023年8月6日に、法学研究科の市原麻衣子教授が執筆した論考、「日韓はアジアの難民も支援を」が『信濃毎日新聞』に掲載されました。本論考は、ウクライナと同様またはそれ以上に、アジアでも大量に発生している難民を目の当たりにしている日本と韓国が示すべき姿勢を概説しています。市原教授は、まずアフガニスタンとシリアではウクライナと同数、またはそれを超える数の難民が発生していることを説明し、それにもかかわらずなぜこれらの国々が報道で取り上げられないかを分析しました。教授は主権侵害の状況がわかりやすく描写されているウクライナ侵攻に対し、一見国内の政治情勢に起因する難民発生が主権とは無関係に見えるというわかりやすさの違いが差を生んでいると指摘しました。また、攻撃を受けるウクライナと侵攻を行ったロシアという善悪の構図が鮮明に描かれている一方で、その他の国では善悪の枠組みを示すことが難しいことも理由であると論じました。最後に、市原教授は日韓の政府に対し、客観的かつ信頼される難民支援のための、アジアの人道的支援への協力の必要性を論じました。