民主主義・人権プログラム
【GGRブラウンバックランチセミナー】1989年の日本対中外交をどう評価すべきか ―「天安門ファイル」から見た「望ましい中国像」
日にち2023年10月31日
時間12:30~13:30
開催場所東1号館1202教室
イベント概要

2023年10月31日、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、城山英巳教授(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授)を講師にお招きし、第21回GGRブラウンバックランチセミナー「1989年の日本対中外交をどう評価すべきか ―「天安門ファイル」から見た「望ましい中国像」」を開催しました。城山教授は『天安門ファイル』(中央公論新社)の著者で、時事通信社で計10年間北京特派員を務めました。

城山教授は、1989年に北京の日本大使館と東京の外務省の間で対中意識が乖離していたことを外交文書の分析を通して明らかにしました。当時民主化の流れが今後の中国に影響を与えると予想していた日本大使館と対照的に、外務省は評価を躊躇し長期的な日中関係を重視したと説明しました。教授は、1989年における対中外交の失敗は民主化しない中国を日本が巨大にしてしまったことだと論じ、その原因として、希薄な人権意識や米中接近への不信に加え、日本主導の中国近代化を優先した結果中国の工作を見抜けなかったことなどを指摘しました。

【イベントレポート作成】
チョン・ミンヒ(一橋大学大学院法学研究科 博士後期課程)