民主主義・人権プログラム
【GGRトークセッション】民主主義とお互いへの信頼と不信—データサイエンスを用いて台湾における中国の情報操作を解明する
日にち2023年7月11日(火)
時間12:30-13:30
開催場所マーキュリータワー3302教室
イベント概要

2023年7月11日、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は游 知澔氏(一橋大学大学院法学研究科 客員研究員 / 台湾情報環境研究センター(IORG)共同ディレクター)を講師にお招きし、GGRトークセッション「民主主義とお互いへの信頼と不信—データサイエンスを用いて台湾における中国の情報操作を解明する」を開催しました。

講演の冒頭、游氏は現代の情報拡散の過程やそれに関わるアクターなどに関する見取り図を提示しました。さらに台湾のテレビ放送環境を例に、現在は情報拡散の過程において権威主義国家による情報操作が行われていることを指摘しました。そして、游氏が共同ディレクターを務めるIORGは、機械学習などのデータサイエンスの手法を用いて台湾のSNS情報環境を分析し、台湾が直面する情報操作の現状を社会に発表していることを紹介しました。具体的な分析結果としては、2022年の台湾において、COVID-19やロシアによるウクライナ侵攻、台湾統一地方選挙、そして台米関係に関する陰謀論や誤情報、偽情報がSNS上で展開されていたことを明らかにしました。こうした情報操作の殆どは台湾国内から行われており、中国やロシアといった権威主義国家もそれに便乗して情報操作を行っているとのことでした。

質疑応答セッションでは、台湾国内から情報操作を実行する人々の意図や、情報操作に関するデータ分析結果の解釈方法、データ収集におけるプライバシー問題、そしてデータから人間の意図を分析することの限界など、様々な質問が提起されました。游氏は、データサイエンスの限界を指摘しつつも、それを補う様々な仮説や方法があることを説明しました。

 

【イベントレポート作成】

中野 智仁(一橋大学国際・公共政策大学院 修士課程)