要旨
2022年12月19日に発売された学術誌Diplomacy and Statecraftに一橋大学大学院法学研究科の青野利彦教授が執筆した書評が掲載されました。本稿において、青野教授はセオドア・ヴォーヒーズ氏著『The Silent Guns of Two Octobers: Kennedy and Khrushchev Play the Double Game』という本をレビューしています。この本は、1961年から1962年にかけての核戦争を回避するためのメカニズムについて考察しています。多くの人はこの時期、特にキューバ危機までの期間を核戦争に最も近かった時期と認識しています。しかし、ヴォーヒーズはそれに対して、1962年は「驚くほど平和な時期」であったと主張し、その根拠を詳細に述べています。この本について、青野教授は、キューバ危機の理解に貢献したと評価する一方で、ヴォーヒーズ氏の議論に必ずしも全面的に賛成しているわけではないとしています。