グローバルリスク・危機管理プログラム
日本のジレンマ 核廃絶を主張しながら核抑止力に依存
出版日2022年9月17日
書誌名毎日新聞
要旨 ロシアによる核兵器使用の現実味が増している中、秋山信将教授が核使用を法的観点から説明し、核軍縮や核廃絶に向けて日本が取るべき行動について解説しました。教授は、ウクライナ戦争におけるロシアの核をめぐる言動に関して、核を使用すること自体は法的に禁じられていないとしつつも、この一連の行動は核抑止論、核廃絶論の両方を強化したと指摘しました。また、来年の5月にG7サミットを主催する日本が、核に依存しない世界を構築するために、核兵器について考える場を提供することが大事だと主張しました。日本は、核禁止条約への加盟を最終目標とするべきだとしつつ、北東アジアを核のない地域にするためには慎重かつ地道に取り組む必要があるとしました。最後に、8月下旬に行われたNPT再検討会議における各国の動向を踏まえ、改めて核保有国と核廃絶国が集まって議論する国際会議の意義を示しました。