出版物
男女の昇格差別とその救済ー兼松事件
要旨同期の男性一般職との賃金格差は男女差別であると主張し、賃金・一時金等の差額と、慰謝料、弁護士費用の支払い等を求めた件(兼松事件)ついて、原判決を変更し、損害賠償請求を一部認容した判決の解説(東京高裁平成20年1月31日の判決)
最高裁(第一小法廷)朝日建物管理株式会社対原告
要旨有期労働契約の期間途中の解雇が無効であった場合の期間満了時の扱いについて判断した最高裁第一小法廷2019年11月7日判決(朝日建物管理事件)の英訳および解説。
税制の地域統合・国際的調和と租税法律主義
要旨著者は、EU における拘束力を有しないソフトローの利用を取り上げ、ソフトローが機能する条件、これを国際的な課税ルールの形成に応用することの意義を確認する。
図書館等のデジタル・ネットワーク対応
要旨令和3年6月に公布された著作権法改正のうち、31条(図書館等のデジタル・ネットワーク対応)改正内容を概略し、ソフトローによる規範形成、図書館等の範囲、絶版等資料の活用などにおける今後の論点を述べる。
「法人税最低税率15%」のインパクト-国際課税のグローバルガバナンスをめぐって
要旨15%の最低税率は、租税競争を終わらせるのに十分な水準ではない。国際課税の問題に有効に取り組むため、国際的調整を議論する場を活用する必要がある。
アメリカにおける男女雇用平等法理の展開―ジリアン・トーマス氏の著書を手がかりとして
要旨『雇用差別と闘うアメリカの女性たちー最高裁を動かした10の物語』を手がかりにし、1964年公民権法(Civil Rights Act of 1964)の第7編の下における性差別法理の展開、関連判例、および現在までの法制の動きの概観。いくつかの事件を除いては、女性が個人として使用者を相手に訴訟を提起したのであり、これらが積み重なって今日まで法理が形成されてきたという点には、アメリカらしさが現れている。
デジタルプラットフォーム規制を巡る欧州の動向
要旨EUの各種デジタルプラットフォーム(DPF)規制改革において、2014年以降から現在の欧州委員会に至るまでのDPF関連制度改革、法案を紹介する。