出版物

民主主義・人権プログラム

中国の技術、機会か危機か(スペイン語)

著書名サッシャ・ハニグ・ヌニェズ
出版日2023年5月13日

要旨2023年5月13日に、GGRアシスタントでチリの国際アナリストであるサッシャ・ハニグ・ヌニェズ氏の「中国の技術、機会か危機か(スペイン語)」と題された論考が、アルゼンチンの日刊紙『ラ・ナシオン』に掲載されました。ハニグ・ヌニェズ氏は、他の地域の事例を参考に、ラテンアメリカ地域諸国と中国のテック企業の連携について議論しています。まず、中国企業の特徴として、中国国内外を問わず、企業が収集した情報を中国共産党に対して提供する義務があることを挙げました。このため、ファーウェイやZTEは、情報セキュリティーに関する疑念を払しょくできず、オーストラリア、アメリカ、イギリス、そして日本などの多くの国で、国内ネットワークへの参加が禁止される事例が相次いでいると説明しています。一方で、ラテンアメリカ地域では、どの国家の企業を採用するべきかについて議論が続いていると指摘します。中国企業が価格やサービスにおける魅力を持っていることに加えて、中国政府のラテンアメリカ地域に与える影響力が増していることから、今後地域の政府が中国企業と連携する可能性は低くないと述べました。最後に、ハニグ・ヌニェズ氏は、中国のテック企業の進出に関する一国の決定は、ラテンアメリカ地域全体に影響を及ぼすと指摘し、地域枠組みレベルの議論が必要だと論じました。

民主主義・人権プログラム

日本における偽情報への対処法 -ロシア・ウクライナ戦争からの教訓[英文]

著書名市原麻衣子
出版日2022年12月

要旨2022年12月に『アジアの民主主義に対する偽情報の影響(英語名:Impact of Disinformation on Democracy in Asia)』レポートが出版され、一橋大学大学院法学研究科の市原麻衣子教授の論稿が掲載されました。教授はまず、ロシア・ウクライナ戦争に関するロシアの偽情報やプロパガンダが、いかに日本の言説空間を混乱させているかを示しています。この情報操作の影響は日本では前例がなく、情報操作の課題と適切な対応策を分析する上で有益なケーススタディであると指摘しています。このような背景から、本稿では、ロシア・ウクライナ戦争に関連する日本の情報操作の状況、現在の情報操作への対策、および課題を克服するための推奨政策について論じています。

民主主義・人権プログラム

「情報戦」の時代に注目されるファクトチェックの可能性

著書名尹 在彦
出版日2023年1月19日

要旨インターネット・SNS上で拡散する偽情報・疑情報への対策を巡り、世界中でファクトチェックが行われている。日本でもコロナ禍で偽情報・誤情報が拡散し、ファクトチェックの力量が試されている。2010年代以降、韓国ではいわゆる「レガシーメディア」を含め、多くのユーザーが閲覧するオンラインニュースなどにファクトチェックのコーナーが設けられるなど、様々な主張が自由な言論空間で検証されている。「情報戦」の脅威が語られている時代、日本メディアもファクトチェック報道の全面的な導入を前向きに検討すべきであろう。

民主主義・人権プログラム

日本への影響を試みる中国の巧妙さ

著書名ティモシー・ニーベン、市原麻衣子
出版日2023年1月4日

要旨中国では、中国共産党によって今まで多くの情報が統制され、国の影響力を拡大するために様々なメディアコンテンツに対する工作がなされてきた。しかし、近年は影響工作の勢いが行き過ぎてしまい、かえって党に対する信頼を損なわせている。この現状を変えるために、共産党は独立したメディア機関を自身の情報ネットワークに取り込み、党にとって不利益となる情報の一部を認めつつ、巧妙な情報操作によって損なわれた信頼を取り戻す動きを活発化させている。著者は、この動きが日本に及ぼす影響と危険性を示し、日本政府は速やかに対抗措置を取らなければならないと主張する。具体的な措置として、影響工作の客観的な分析と人々が触れる情報の裏にある権威主義国家の狙いを見抜くためのプラットフォームを提供する必要性を指摘している。

民主主義・人権プログラム

もっともらしい主張の噓 厄介

著書名市原麻衣子
出版日2022年4月3日

要旨ロシア政府のプロパガンダが日本でかなりの影響力を持っている。日本で主流化したウクライナ侵略の目的に関する見方がその例の一つであり(NATO加盟を防止するためにロシアが侵略を行ったというもの)、この見方はロシア政府の主張をうのみにしたものである可能性がある。

民主主義・人権プログラム

腐食性資本:チリの事例(スペイン語)

著書名ハニグ、サスチャ; クラロ, フェルナンド; ラゴス, フアン・パニアグア; パブロ
出版日2021年

要旨この出版物は、権威主義国家の企業がチリ国内で行った投資やプロジェクトに関するFPPの調査結果である。結論としては、腐食的な影響を防ぐための制度の役割を指摘している。また、他の中南米諸国への提言もなされている。

民主主義・人権プログラム

侵食される民主主義 上・下(勁草書房)

著書名ラリー・ダイアモンド(市原麻衣子監訳;東海林拓人、鈴木涼平、杉井敦、増村悠爾訳)
出版日2022年2月

要旨いま民主主義国は、権威主義国から影響力工作や「シャープパワー」で侵略され、国内ではイデオロギー分断が生じている。この外からの攻撃と内からの自壊を包括的に捉える画期的な民主主義本がついに登場。最近の民主主義の後退を最初に指摘した「ミスターデモクラシー」ことダイアモンド教授による警告と、再生に向けた処方箋。

民主主義・人権プログラム
出版物

日本への影響力を高めるための中国による巧妙な努力(英語)

著書名ニベン・ティモシー、市原麻衣子
出版日2021年10月

要旨本文論では、中国の海外におけるメディア戦略について触れている。まず、中国が海外でのプロパガンダキャンペーンをローカライズしようとしているが、その成功は限定的である。次に、日本と中国のプロパガンダとの関係を分析し、この問題が取り上げられたのはごく最近のことであるとし、中国共産党が日本のメディア空間にどのような影響を与えているかについて、例えば、金融メディアなどの例を挙げている。

民主主義・人権プログラム

中国資本はまだチリの民主主義を侵食していない (スペイン語)

出版日2021年10月18日

要旨チリの腐食性資本に関するFPPの出版物についての論文。ハニグは、調査結果についてインタビューを受けた主要な人物。 「非民主主義国」からの投資に焦点を当て、彼らが「腐食性資本」と呼ぶもの、つまり「その国の制度的弱点を利用して参入し、長期的にその国の民主主義を侵食する可能性を持つ」資本に関連する潜在的リスクを分析している。ハニグは調査結果についてインタビューを受けた主要な人物。