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民主主義・人権プログラム

「「一生、香港には戻らない」 香港の周庭さん、カナダへの出国を公表」へのコメント

2024年4月1日
2023年12月4日に朝日新聞の記事、「「一生、香港には戻らない」 香港の周庭さん、カナダへの出国を公表」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。本記事は、香港の民主活動家である周庭(アグネス・チョウ)氏が、香港当局から12月末に一時帰郷し、出頭するよう求められたものの安全面を考慮してカナダに残ることを決めたことに関する内容です。市原教授はまず、香港の民主活動家である周庭さんが旅券を取り戻したことに対して祝意を表しました。一方で、周庭さんが留学先として日本ではなくカナダを選択したことから、次世代を担う若者が日本で教育を受け、日本で活躍したいと思われるような社会に変革する必要があると指摘しました。
民主主義・人権プログラム

「福田元首相が語る「日本の生きる道」 ASEAN諸国の期待はいまも」へのコメント

2024年3月21日
2023年12月14日に朝日新聞の記事、「福田元首相が語る「日本の生きる道」 ASEAN諸国の期待はいまも」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の関係が、この50年でどのように変容してきたのか、ASEANにとって日本はどのような存在なのかについて、福田康夫元首相に対して行っているインタビューに関する内容です。市原教授は、福田康夫元首相がASEANや中国の現状を理解していることを評価する一方、日本及びASEAN諸国が国際秩序の安定化への貢献に消極的であると批判しました。そして、今後は日本や東南アジアにおいて、より主体的な国際規範の設定者としてのリーダーが出現することを期待するとコメントしました。

「(協力)欧州の未来は?拡大と深化の間で」に関する議論

2024年3月14日
2024年1月15日に法学研究科の中西優美子教授が、日仏会館で主催された「(協力)欧州の未来は?拡大と深化の間で」に討論者として参加しました。このイベントでは、EU法の権威であるアルベルト・アレマノHEC経営大学院教授の来日に合わせ、2024年6月の欧州議会選挙を目前にEUはどのように変化していくのかに関して、議論が展開されました。中西教授は、元来欧州議会は諮問機関にすぎなかったが、立法機関へと発展した意義は肯定されるべきだと述べました。さらにEU拡大に関しては、加入交渉及び欧州理事会における決定方式をめぐり議論が絶えないが、EU拡大は新規加盟国の国民がEU市民になることを意味するため、すべてのEU国による賛成が必要であるのではないかと論じました。
民主主義・人権プログラム

「ミャンマー人ら制作の映画が公開 監督「抵抗する人の勇気、見て」」へのコメント

2024年3月8日
2023年7月29日に朝日新聞の記事、「ミャンマー人ら制作の映画が公開 監督「抵抗する人の 勇気、見て」」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、国軍によるクーデター後、市民に対する弾圧が続いているミャンマーの国民たちの苦悩を描写した映画「ミャンマー・ダイアリーズ」を紹介する内容です。市原教授は、ミャンマーの人権侵害状況はウクライナ侵攻とは異なって構図の複雑性があり、解決も難しいものの、だからこそメディアの注目と国際世論による支援が必要であると強調しました。
民主主義・人権プログラム

「福島の海洋放出で日本に焦点」へのコメント引用 [in Spanish]

2024年3月7日
2023年11月19日にエル・パイス紙の記事、「福島の海洋放出で日本に焦点」に法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが引用されました。この記事は福島処理水の放出に関するもので、放水がIAEAに承認されているものの、中国、ロシア、韓国、台湾、マカオ、香港及びフランス領ポリネシアが魚や化粧品などの日本製品の輸入禁止措置を課し、日本と近隣諸国との緊張が高まっていることに関する内容です。市原教授は、中国政府の行動について、日本社会を不安定にさせることや、韓国や台湾をはじめとする戦略的隣国と日本との関係にくさびを打ち込むこと、さらに中国経済の減速といった問題から注意をそらすことを目的としているとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「『軍政は崩壊し始めている』 来日したミャンマー民主派の『外相』がにじませた日本への不満」へのコメント

2024年2月26日
2023年12月3日に東京新聞の記事、「「軍政は崩壊し始めている」 来日したミャンマー民主派の「外相」がにじませた日本への不満」に対する法学研究科の市原麻衣子教授のコメントが公開されました。この記事は、2021年2月にクーデターを起こした国軍に対抗し、民主派が樹立した「挙国一致政府(NUG)」のジンマーアウン外相が11月、日本を訪れたことに関する内容です。市原教授は、ミャンマー民主派外相の訪日は、ミャンマーの現状を伝え、関心を喚起した点で評価するとした上で、ミャンマーの将来の安定を実現するために、日本政府は、国軍とだけではなく、NUGと少数民族とも対話する必要があり、非正式でもNUGとの関係性を構築してミャンマー問題の解決に向けて外交を活発化させることを期待するとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「「外国法であって外国法でない」 EUのAI法が世界に与える影響」でのインタビュー

2024年2月15日
2023年12月10日に朝日新聞の記事、「「外国法であって外国法でない」EUのAI法が世界に与える影響」に関して、法学研究科の生貝直人教授のインタビューが公開されました。この記事は、欧州連合(EU)が世界で初めて人工知能(AI)を包括的に規制するAI法案に合意したことで、法律施行に伴い世界にどのような影響があるのかに関する内容です。生貝教授は、EUが新たに合意したAI法は、生成AIを含む広範なAI利用を初めて規制する法律であり、デジタル空間だけでなく、AIを使ったリアル空間の様々な製品やサービスに影響を与えることになるだろうと述べました。今回先進的なAI法をまとめることができたのは、リスクの大きさに合わせて規制の形を柔軟に変える「リスクベース」の手法をとったことが大きいとした上で、今後具体的な問題にいかに対処し、実効性を発揮できるかが課題になると指摘しました。最後に、各国が共通の課題を抱える中で、米国も法令による一定の規律をかけてAIのリスク対応を進める方向にあり、日本もある程度の法的枠組みを設けることを前提に、制度の議論を進めるべきときではないかと話しました。
民主主義・人権プログラム

「民主主義は衰退しているのか?インド太平洋地域秩序への示唆」の出演 [in English]

2024年2月15日
2023年11月24日、慶應義塾大学戦略研究センターは「民主主義は衰退しているのか?インド太平洋地域秩序への示唆」と題し、法学研究科の市原麻衣子教授が参加した対話プログラムの映像を公開しました。この対話プログラムでは、グローバル・デモクラシーの現状と将来、そしてインド太平洋地域への影響について議論されています。市原教授は、2006以降民主主義の後退と呼ばれる現象が起きているとした上で、インド太平洋地域は北朝鮮や中国のような完全な独裁国家から日本や韓国、台湾のような比較的回復力のある民主主義国家まで多様なタイプの政治体制があるという意味で非常に特徴的な地域であると述べました。また、権威主義国家による影響工作は、他国の行動や政策変更を勝ち取るために情報を歪めようとするものだが、それが効果的であると考えられるのは対象国の社会が分裂してる場合であると指摘しました。影響工作においては、中国とロシアが中心的なアクターであるが、両国は全く異なる手法を用いる傾向にあると述べた上で、近年の日本における処理水排出をめぐる偽情報の拡散は、中国がロシアと同様の手法を用いるようになってきていることを示唆すると指摘しました。さらに、影響工作に対して民主主義を守るために日本ができることは複数あるが、日本社会として、そして日本政府としてなすべき重要なことの一つは、日本社会においてだけでなく、他の国の社会においても、うまく分断を埋めることであるとコメントしました。
民主主義・人権プログラム

「2023GCTFメディアリテラシーフォーラム ―偽情報と誤情報に対する民主的レジリエンスを構築する」での講演

2024年2月7日
2023年11月11日、法学研究科の市原麻衣子教授が「2023 GCTFメディアリテラシーフォーラム」と題するフォーラムで講演を行いました。このフォーラムは、台湾、米国、オーストラリア、日本などのアジア太平洋地域における民主主義国家が、どのようにグローバルな協力を行い、偽情報や誤情報といった情報の脅威に対して強靭な民主主義を育むことができるかに関する効果的な戦略を探ることを目的としています。市原教授は、近年の日本の社会問題に対する中国やロシアの偽情報の影響について、偽情報源や影響力の形態・特徴、現状の政府による対策や将来的な国境を超えた協力の必要性に関して統計的なデータを用いて論じました。
民主主義・人権プログラム

「荒唐無稽な陰謀論と虚偽の噂は中国の新たな武器」へのコメント[in Danish]

2024年2月1日
2023年12月4日にデンマークのBerlingske紙の記事、「荒唐無稽な陰謀論と虚偽の噂は中国の新武器」に対する民主主義・人権プログラム客員研究員の游知澔氏のコメントが公開されました。この記事では、インフルエンサー、メディア、若者の世界的ネットワークが、突飛な陰謀論や誤報を通じて、北京を愛し米国を恐れるようになることを望んでおり、台湾人ほどそれを感じている人はいないとした上で、特に4つのトピックの脆弱性について語られています。游氏は、大規模なデータ収集による中国の誤報、フェイクニュース、プロパガンダに関する研究に基づき、デジタルプラットフォームやソーシャルメディアを通じて情報を操作し、台湾に影響を与えようとする中国の試みは大規模であると述べました。そして、中国は情報操作を行う最大の外国勢力であり、台湾の経験は、世界が学ぶべきものであるとコメントしました。