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2024年5月7日に、法学研究科の市原麻衣子教授が受けたインタビューをもとに執筆された記事、「立憲主義のためには改憲が必要!? 研究者が問う「憲法の使い方」」が『毎日新聞』に掲載されました。本記事では、非民主的な国が増える中、戦後日本において政治的立場を越えて憲政教育で育まれた市民意識の意義と限界、そして「その先」で何をなすべきかについて市原教授に対するインタビューがまとめられています。まず市原教授は、主要国の中でも特に立憲主義の原則に即した対応を取った新型コロナ対策を例に、日本における自由権についての意識は高い傾向にあると述べました。一方で、これまで改憲が阻止されてきた代償として、条文の字面と防衛政策の現実が大きく乖離し、立憲主義が空洞化している点を指摘しました。したがって、立憲主義を取り戻すためには改憲論が必要だが、9条だけに終始しない改憲の議論が肝要であると論じました。また、日本政府の自由、民主主義に関わる具体的な行動に変化が伴っていないことを指摘し、市民教育の重要性を語りました。そして、異なる政治的傾向や社会的立場の人が話し合うことの積み重ねが、より自由で平等な社会へとつながるのではないかと提言しました。