要旨
2024年4月、法学研究科の市原麻衣子教授が執筆した記事、「国家安全保障とデジタル・ プラットフォーム規制の現状が法律時報にて掲載されました。本記事で市原教授は、国家安全保障上の脅威がデジタル・プラットフォーム上でどのように引き起こされているのか、そして安全保障の確保のためのデジタル・プラットフォーム規制について米国を事例として分析しています。市原教授は、各デジタル・プラットフォームは、関心経済モデルの下に形成され、感情的なコンテンツが人目につきやすい場所に配置されることから、感情を揺さぶる偽情報も拡散しやすくなり、ポピュリスト政治家が大衆動員に利用しやすくなっていると指摘しました。また、SNSの登場により、デジタル・プラットフォームが国際政治に与える影響が飛躍的に拡大したことに言及し、デジタル・プラットフォームを利用した影響工作の脅威について説明しました。さらに、一時的な規制の妥当性について判断は難しいが、米国のプラットフォーマーを含めて安全保障や国家間関係を安定させるために統一的な規制の策定の必要性を強調しました。