「インド太平洋の普遍的価値の擁護」-G7・日本の役割-

2023年3月28日、GGR研究員で法学研究科及び国際・公共政策大学院教授の市原麻衣子教授が公開シンポジウム「「インド太平洋の普遍的価値の擁護」-G7・日本の役割-」に参加しました。市原教授はアカデミアの観点から以下のように意見を述べました。教授は民主主義の置かれた状況を鳥瞰し、ウクライナ戦争を受けて民主主義と安全保障の連関の高まりが見られると指摘しました。一方でこの連関によって、国家間対立を好まないグローバルサウスが民主主義から距離を置く構図が生まれているとも指摘しました。教授が携わる「サニーランズ・イニシアティブ」は、各国、各個人間で分断されているアジアにおける難民支援を連続的・有機的につなぐものです。政府と市民社会を取り込んだマルチステークホルダーによるこのネットワークは、自由を求める個人を救うだけでなく、民主主義の対立的側面を和らげることができると主張しました。加えて、世界規模で見られるデモの発生は、自由への希求が人間の根源的な欲望であることを表していると分析しました。また、教授は市民社会のディスコースに注目する重要性や、権威主義体制が推進する非自由主義的民主主義から自由の要素を取り戻す必要性についても訴えました。

公開シンポジウム 「インド太平洋の普遍的価値の擁護」 – G7・日本の役割-  開催のお知らせ (3.28)