【GGRブラウンバッグランチセミナー】外交官なき外交 −戦後日本外交史における特使の役割
イベント概要
グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は2022年6月1日、ジュリア・ガルバーニ氏(ケンブリッジ大学大学院アジア・中東地域研究科博士課程、東京大学交流研究生(国際交流基金博士課程フェロー))を講師として、「外交官なき外交 -戦後日本外交史における特使の役割」というテーマで第4回GGRブラウンバッグランチセミナーを開催しました。
ガルバーニ氏は非公式な外交である「特使外交」に着目し、なぜ外交官の代わりに特使が派遣されるのか、日本外交史において特使とはどのような存在かを論じました。冒頭では、特使とは何かを定義し、その特徴を臨時性、個人的関係性、非組織性を備えたものとした上で、内閣総理大臣に代わり本質的な外交目標の達成を任される人物であると説明しました。そして1960~1980年代にかけて活躍した3人の特使を事例とし、これらの事例に見られる共通点として、官僚制度を回避しようとした点、首相の個人外交ツールとして行われた点、および国際社会で日本が積極的に役割を果たす目的で行われたものである点など、5点の特徴を指摘しました。
質疑応答では、特使外交の効果、特使の正当性、特使派遣に伴う国際社会へのメッセージ性、受け入れ国の視点から見た特使の評価など、活発な議論が行われました。総勢20名の教員・大学院生が集ったブラウンバッグランチセミナーとなりました。
【イベントレポート作成】
鈴木涼平(一橋大学大学院法学研究科 博士後期課程)