民主主義・人権プログラム
2025年東アジア民主主義フォーラム 
日にち2025年6月11日
時間9:00-15:00
開催場所ホテルメトロポリタン(東京・池袋)
イベント概要

2025年6月11日、東京のホテルメトロポリタンにて、東アジア民主主義フォーラム(East Asia Democracy Forum: EADF)が開催されました。本フォーラムは、台湾民主基金会(Taiwan Foundation for Democracy: TFD)、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)、およびEADF運営委員会の共催により実施されました。

開会にあたり、台湾民主基金会理事長の韓国瑜(Daniel K.Y. Han)氏が歓迎の挨拶を行いました。続いて、台北駐日経済文化代表処代表の李逸洋(Yi-Yang Lee)氏、台湾民主基金会会長の廖達琪(Da-Chi Liao)氏、GGRの市原麻衣子教授(一橋大学大学院法学研究科)がそれぞれ挨拶を述べました。

第1セッション「民主主義強化における対外援助の意義」では、アジア・センター(Asia Centre)地域ディレクターのジェームズ・ゴメス(James Gomez)氏と、グスドゥリアン・ネットワーク・インドネシア(Gusdurian Network Indonesia)全国ディレクターのアリッサ・ワヒド(Alissa Wahid)氏が登壇しました。両氏は、地域における民主主義の維持に対する対外援助の重要性や、米国政府による対外援助の停止がその取り組みに与えた影響について分析しました。本セッションのモデレーターは、全米民主主義基金(National Endowment for Democracy: NED)東アジア・戦略パートナーシップ担当上級ディレクターのリン・リー(Lynn Lee)氏が務めました。

第2セッション「権威主義の戦術と民主主義の強靭性」では、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)プログラム・オフィサーの笠井哲平(Teppei Kasai)氏の発言に続き、ドキュ・アタン(Docu Athan)共同設立者の久保田徹(Toru Kubota)氏、NED・民主主義部門ディレクターのダニエル・オマリー(Daniel O’Maley)氏が発表を行いました。登壇者らは、米国の対外援助停止や権威主義国家の影響拡大がもたらす含意について議論しました。モデレーターは、台湾民主基金会副会長の盧業中(Yeh-Chung Lu)氏が務めました。

昼食後に行われた第3セッション「自由を守るための市民社会の役割強化」では、ゾリグ財団(Zorig Foundation)事務局長のツォルモン・バヤラー(Tsolmon Bayaraa)氏と、レイディー・リバティー香港(Lady Liberty Hong Kong)共同設立者兼事務局長のアリック・リー(Alric Lee)氏が登壇しました。両氏は、近年の国際情勢を踏まえ、民主主義諸国とパートナーとの連携強化がこれまで以上に重要になっていると強調しました。本セッションのモデレーターは、イニシアチブズ・フォー・インターナショナル・ダイアログ(Initiatives for International Dialogue)事務局長のガス・ミクラット(Gus Miclat)氏が務めました。

各セッションの後には質疑応答が行われ、資金援助、人権、人工知能、そして民主主義の将来展望などに関して活発な議論が交わされました。登壇者らは、参加者からの質問に丁寧に応答し、活気ある対話の場となりました。

【イベントレポート作成】
ビラル・ホサイン(一橋大学大学院法学研究科博士後期課程)

【日本語訳】
中島崇裕(一橋大学大学院法学研究科修士課程)