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2024年10月26日に、法学研究科の中西優美子教授が執筆した論文、「オンラインプラットフォーム空間におけるEU規制と基本権保護」が『比較憲法学研究』に掲載されました。本論文では、オンラインプラットフォーム空間の出現が基本権に重大な影響を及ぼしている現状を背景に、EUの主要なデジタル規制であるデジタルサービス法(Digital Services Act: DSA)を取り上げています。中西教授は、国家から権限を委譲されているEUの基本権保障の役割を問題意識とし、プラットフォーム事業者が基本権保護の責務をどのように課されているか、また、利用者が基本権をどのように保障され、権利侵害に対処する手段を持つのかを明らかにしました。特に、DSAがプラットフォーム事業者に対し、コンテンツ・モデレーション等を通じて違法コンテンツによる基本権侵害を防止する責務を課している点に注目しています。また中西教授は、国家およびEUが憲法やEU基本権憲章を通じて基本権を保障するのと同様に、超巨大プラットフォーム事業者が提供するサービスに伴う権力行使を規制する枠組みとして、DSAを「デジタル時代の憲法」と位置付けています。
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000098248-i32388190