2025年12月1日、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、第46回ブラウンバッグランチセミナー「世界に広がるポピュリズム:各国のポピュリスト指導者に関するTwitter上の国際連帯」を開催しました。講師には、セルジオ・ザノット氏(コンスタンツ大学博士課程)をお招きしました。
ザノット氏は講演で、自身が参加した、ポピュリスト指導者の国際連携に対する姿勢を分析した研究を紹介しました。近年、新型コロナウイルスの世界的流行やウクライナ侵攻などの危機を受け、国際的な連帯の重要性が高まっている一方で、ポピュリスト指導者は国際協調や国際機関の正当性に疑義を呈する言動を示すことが少なくありません。ザノット氏らの研究は、政治指導者が国際連帯について語る際に用いる共通のポピュリスト的フレームが、どのような条件の下で構築されるのかを明らかにしようとするものです。
分析では、2010年から2014年にかけて7か国28人の政治指導者が発信したツイートのうち、国際連帯に関する投稿を特定し、その賛否の傾向に対して、指導者のポピュリスト的傾向、政府内での役割、支援国/被支援国の立場、政治的イデオロギーがどのように影響するのかを検証しました。
その結果、①ポピュリスト指導者は非ポピュリスト指導者に比べ国際連帯に批判的であること、②政治指導者は重要な政府ポストに就くと国際連帯をより支持するようになること、③被支援国側のポピュリスト指導者は支援国側のポピュリスト指導者より国際連帯を支持する傾向があること、④ポピュリスト指導者は左右を問わず国際連帯に批判的だが、その批判の対象は移民や国際機関など立場によって異なることが明らかになりました。
講演後の質疑応答では、分析に用いられた機械学習モデルの詳細、ヨーロッパにおけるポピュリズムの歴史、左派ポピュリストと右派ポピュリストの相違など、多岐にわたる質問が寄せられました。ザノット氏は、ポピュリズムとはあくまでコミュニケーション上のスタイルであり、イデオロギーとは区別されるべき概念であることを改めて強調し、講演を締めくくりました。
【イベントレポート作成】
髙倉朱里(一橋大学大学法学部学士課程)

