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2025年6月、中西優美子教授(法学研究科)が執筆した「EU構成国間の投資協定とエネルギー憲章条約 ―Komstroy事件判決を中心にー」が、『エネルギー安全保障に関する国際問題の諸相 ― 2019~2020年度エネルギー安全保障に関する国際問題検討班研究報告書』(日本エネルギー法研究所 報告書No.160)に掲載されました。本稿では、EU司法裁判所のKomstroy事件判決を、エネルギー憲章条約(ECT)とEU法の自律性という二つの文脈から分析し、EU構成国内での投資仲裁制度(ISDS)の適用可能性とその影響について検討しています。中西教授は、本判決がAchmea事件で確立されたEU法の自律性原理を多数国間条約であるECTにも拡張し、EU域内でのISDSを排除することでEU法秩序の統一と環境政策の整合性を強化した重要な転換点であると論じました。一方で、国際法上は依然として他国仲裁地での紛争解決は可能であり、法秩序の二重構造が生じていると指摘しました。


