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2025年3月10日、中西優美子教授(一橋大学大学院法学研究科)が執筆した「EU復興基金(NGEU)のための固有財源決定批准法の合憲性」が『自治研究』第101巻第3号に掲載されました。本判例研究では、コロナ危機を乗り切るため設置されたEU復興基金のための固定財源決定の発行に関するドイツ国内憲法における合憲性をめぐるドイツ連邦憲法裁判所の判決(BVerfGE 164, 193, 2 BvR 547/21, 2022年12月6日判決)を分析しています。本来EU条約およびEU運営条約には資本市場から借入する権限をEUに付与する権限はなく、EUの固有財源は構成国からの分担金で構成されています。しかし、中西教授は、今回の判例の解釈によって理事会が固定財源決定措置を採択し、欧州委員会に資本市場での借り入れする権限を授権するお墨付きが与えられたと考えられると論じています。