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2025年3月12日に、法学研究科博士課程に在籍するサッシャ・ハニグ・ヌニェズ氏が執筆した書籍『Technology Transfer to Latin American Countries: Drifting Away from the United States and China?』が出版されました。本書は、ラテンアメリカにおける国家の意思決定レベルでの技術移転のプロセスを分析し、米国と中国が圧倒的な技術的影響力を持つという従来の認識に疑問を投げかけます。ハニグ氏は、ミドルパワーや地域アクターの影響力の拡大を指摘し、経済的インセンティブ、地政学的競争、価値観に基づく判断が技術移転の成果に与える影響を検証しています。さらに、本書は米中間の新たな「冷戦」という視点を掘り下げ、両国が技術移転を通じて影響力を強化しようとする一方、台頭する国々との競争によってその試みが限界に直面していることを明らかにします。技術移転が単なる経済的プロセスにとどまらず、国際秩序や国家主権、地域統合にも深く関わることを示しています。