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2025年2月10日、中西優美子教授(一橋大学大学院法学研究科)が執筆した「動物福祉と宗教の自由をめぐる欧州における裁判官対話」が『自治研究』(第101巻第2号)に掲載されました。EUでは動物保護や福祉の市民意識が高まる中で、宗教の自由が対立する事件が増えています。本判例研究では、欧州人権裁判所で取り扱われた事例(Affaire Executief van de Moslims van België, 16760/22 et 10 autres, 2024年2月13日判決)について解説しています。この判例研究は、ベルギー憲法裁判所、EU司法裁判所及び欧州人権裁判所という、3つの裁判所により、多層的な基本権保障審査が実施され、一貫性および均質性のある判決が下されたことを示しています。このことから、欧州における動物保護と宗教の自由の問題において判断基準が形成されたと捉えることができ、裁判所間の相互協力的な関係が理解できると評価しています。