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2024年に開催された人工知能学会全国大会(第38回)の成果を踏まえ、角田美穂子教授(一橋大学大学院法学研究科)が、山田寛章助教授(東京科学大学)、小原隆太郎氏(中村・角田・松本法律事務所)と共同執筆した「不法行為判断予測データセット構築におけるELSI課題」が人工知能学会全国大会論文集より出版されました。角田教授らは、法分野におけるAI応用研究の重要な領域である判決予測のためのJapanese Tort-case Dataset (JTD)を構築しました。本論文は、データセットの構築過程で検討した課題を報告し、データセットの構築と共有に関する議論を深化することを目的としています。教授らは、JTDは法律データを含むため、データセット構築にあたっては、コンピュータによる司法判断の適切性やデータセットに内在するバイアスの可能性など、さまざまな社会的課題の検討が必要であったと指摘しています。また、日本では裁判例のオープンデータ化の推進についても依然として議論が続いており、JTDのようなデータセットを他の研究者と共有するための基盤を整えていく必要があると説明しました。なお、この発表は、2024年度人工知能学会全国大会優秀賞(オーガナイズドセッション口頭発表部門)を受賞しました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2024/0/JSAI2024_3K1OS2a02/_article/-char/ja/