出版物リンク
2024年12月に、法学研究科の秋山信将教授が執筆した章である「軍事力で平和を維持できるか」が収められた書籍、『国際平和論』が有斐閣より出版されました。本書は、国際平和がどのように維持・管理されてきたのかを国際政治・国際制度・国際規範という3つの側面から説明しています。本章で秋山教授は、国家間の関係や国際政治の構造を規定する上での軍事力の役割とその規制を通じた平和について概観しています。まず、国際政治において追求される平和とはどのようなものなのかについて、戦争と平和、安全保障とパワーの概念を中心に整理し、その中で軍事力がどのような役割を果たすのか、軍事力の機能について概観しつつ、その効用を論じています。さらに、その軍事力を規制することによって平和を追求する動きとして軍備管理・軍縮・不拡散の取り組みについて説明しています。秋山教授は、軍事力の行使に制約を課し、軍事力行使に伴うリスクを低減させることが重要だとして上で、国際社会は軍事力の行使が抑止されるような国際規範の確立を目指し続けるべきであると強調しました。