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2024年9月に、法学研究科の中西優美子教授が執筆した論文、「EU機関行為の内部審査要請に関する環境NGOの司法アクセス権とオーフス条約」が『自治研究』に掲載されました。本論文では、環境NGOによる提訴を契機として、EUが環境に関する意思決定過程への公衆参加および司法救済に関する条約(以下、オーフス条約)の義務に違反していると判断された判決を取り上げています。この判決によってオーフス規則が改正されたことを受け、EUにおける司法アクセス権に大きな変化が生じた点を論じています。中西教授は、まず事件の概要および判決内容を詳細に説明した上で、判決がオーフス規則の改定に与えた意義を考察しています。特に、本判決において明確化された各種概念が、いずれも環境NGOの司法アクセス権をより広く認める形で整理された点を指摘しました。また、これまでEU構成国に対しオーフス条約の義務履行を強く求めてきたEU司法裁判所が、EU機関に対しても同様に厳格な義務履行を要求したことを示すものであると論じています。
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