出版物リンク
2023年12月に、法学研究科の竹村仁美教授が執筆した章である“Ukraine Situation and Its Relationship to the Principle of Complementarity”が収められ同教授が共同編集した書籍、Global Impact of the Ukraine Conflict: Perspectives from International LawがSpringerより出版されました。本書は、ウクライナ紛争が国際社会の法的な枠組みや国際法のルールに、どの程度、そしてどのような形で影響を及ぼす可能性があるのかという問いに対して包括的に答えることを目的としています。竹村教授は、ウクライナとロシアの武力紛争は、ロシアによる戦争犯罪や侵略行為の疑いを引き起こし、多くの武力紛争と同様に、国内裁判所と国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)の補完関係に注目が集まっていると述べています。ウクライナの状況は実践的補完性、または実践的積極的補完性とされ、補完性の原則が実際に機能している事例として説明しています。そして、ウクライナ情勢は、ICCの補完性の原則と機能、公平性と独立性の確保にとって重要な側面を持っており、締約国はウクライナ情勢がICCの正当性を損なわないように、ICCの運営を注意深く監視する必要があると強調しました。
https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-99-4374-6