出版物リンク
2024年8月1日に、法学研究科の秋山信将教授が執筆した論文、「日本の軍備管理・不拡散政策」が掲載された書籍、『地政学時代の日本 ―外交・安全保障政策の新たな潮流-』が、コンラート・アデナウアー財団から出版されました。本章で秋山教授は、「核政策の四本柱」と3つの要因、2つのジレンマという枠組みを通じて、日本の軍縮・不拡散政策を規定する構造を論じています。日本が直面する軍備管理軍縮・不拡散分野における課題として地域レベルにおいては、拡大核抑止を含む日米同盟や地域的なパートナーシップを通じて中国及び北朝鮮に対する抑止の信頼性と対応能力をいかに担保するか、中国との間で軍備管理の対話を含む核リスクの削減をどのように進めていくのかが課題となると説明しました。グローバルなレベルにおいては、核兵器不拡散条約を中心とする国際的な不拡散レジームの信頼性の維持に日本がどのように貢献するのかがポイントになると述べました。最後に、日本が核軍縮・不拡散政策において求められてきた、安全保障上のリアリズムと唯一の戦争被爆国としてのアイデンティティからくる理想主義の追求という相反するように見える政策をどのように両立させていくのかが中心的な課題となるだろうと強調しました。
https://www.kas.de/ja/web/japan/einzeltitel/-/content/japan-in-an-era-of-geopolitics-2