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2024年5月3日、ソーシャル・データサイエンス研究科のウ・ユジン准教授の共著論文、「Political Regimes and Refugee Entries: The Preferences and Decisions of Displaced Persons and Host Governments」がInternational Studies Quarterlyに掲載されました。本論文でウ教授は、難民の移動を促す要因を分析するために、受入国の国内政治制度に焦点を当て、難民の入国は、受入国政府と避難民双方のインセンティブを形成する政治体制によって決定されることを論じています。具体的には、政治体制と難民の受け入れ数の間には逆U字型の関係があると理論化しています。例えば、受入国が独裁的である場合、避難民はそのような体制下での生活の不確実性が高いリスクを冒したくないため、難民の流入量は少なくなり、受入国が民主的である場合、受入国政府に対する民主的な制約により、難民の流入量は同様に抑制され、結果として難民の大半は非民主的な政権に集中することになると説明しています。本論文では、世界的なデータセットを用いて一連の統計分析を行った結果、政治体制と難民移動との間の相関関係だけでなく、この関係の基盤となると理論化された受入国政府および避難民の選好に関する理論的予測を支持する強力な証拠が得られたと論じています。