【社会学研究科及びGGR合同セミナー】グローバルサウスとポルトガル法との相互関係 ―法多様性理解の見地から
イベント概要
2024年5月9日、社会学研究科および一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、イザベル・モウジーニョ・デ・フィゲイレド教授(Isabel Mousinho de Figueiredo、マカオ大学法学部助教)を講師にお招きし、共同セミナー「グローバルサウスとポルトガル法との相互関係 ―法多様性理解の見地から」を開催しました。
フィゲイレド教授は、まず、ローマ時代から近世アジアにかけての貿易交流、また中国への侵略に至るポルトガルの起源や歴史、中国との交流史を紹介しました。そして、定義、倫理との関係性、英米法と大陸法の違い、それぞれの起源及び西洋法体制について紹介しました。さらに、法典化について、早期法典化と現代法典化に分け、早期法典化はハンムラビ法典まで遡り、現代法典化はナポレオン法典から始まると述べ、西洋法の現代法典化について説明しました。最後に、1866年にできた最初の民法典と1966年にできた新民法典からポルトガルの法体制の概要を紹介しました。
質疑応答セッションでは、マカオの法体制に対する中国中央政府の影響、マカオにいるポルトガル人が直面する言葉などの問題に関する質問が提起されました。フィゲイレド教授は、英米法と大陸法とは大きく異なるので、現地のポルトガル人は通訳などのツールに頼らなければならず、裁判などおいても様々な影響を受けていると論じました。
【イベントレポート作成】
厳豊(一橋大学大学院法学研究科 修士課程)
渡邉英瑠(一橋大学国際・公共政策大学院 修士課程)