民主主義・人権プログラム
【GGRブラウンバックランチセミナー】開発現場から―ガバナンス、平和構築を通して
イベント概要
2023年9月27日、一橋大学グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、児玉千佳子氏(一橋大学大学院法学研究科博士後期課程)を講師にお招きし、第20回GGRブラウンバックランチセミナー「開発現場から―ガバナンス、平和構築を通して」を開催しました。児玉氏は、博士課程に在籍する前まで、外務省、国連開発計画(United Nations Development Programme: UNDP)で約23年にわたり平和構築支援や民主的統治に関っていました。
児玉氏は、人道、開発と平和の連帯に向かった経済協力の例として、2000年代初めごろ帰還したアフガン難民支援に関わった経験を紹介しました。支援対象を難民だけでなく、難民が定住している地域のビジネスを支え(コミュニティの)他のアフガン人も利益を受けるような支援がなされたと説明しました。大変だった経験として、児玉氏は、パレスチナで行った占領下における開発の例を挙げました。判事の移動が壁に妨害され、裁判がなかなか進まない状況の中で法の支配の向上につながる支援をどうするべきかなど、困難に直面することがあったと話しました。一方、権威主義体制のガバナンス支援の例として、政府と市民社会が共に法改正プロセスに取り組む支援を挙げ、持続可能性を目指した民間企業の活動がカンボジアのガバナンス支援に用いられた事例などを最後に紹介し、様々な角度から開発に関わることができると述べました。
【イベントレポート作成】
チョン・ミンヒ(一橋大学大学院法学研究科 博士後期課程)