要旨
2023年3月に、法学研究科の中西優美子教授が共同執筆した報告書、「日本・EU間の経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定 (SPA)の発展―環境・エネルギー事項を中心に―」が日本エネルギー研究所にて掲載されました。本報告書は、日本とEUの間で結ばれた経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定(SPA)の意義と今後の展開を、コロナ禍や気候変動、ウクライナ戦争等の世界情勢の変化を考慮して考察しています。中西教授は、EPAに関して気候変動を意識したうえで、エネルギー効率を促進する協力の在り方の側面があると説明しました。他方、SPAについては気候変動問題に加えてウクライナ戦争が発生する中、SPAに法的基盤の構築と役割と法的拘束力を与える文がみられると述べました。最後に、近年の日EU定期首脳会談では両協定の運用に関する具体的で実質的な議論が行われており、エネルギー問題の顕著化に対応する重要な協力体制になると評価しました。