民主主義・人権プログラム
【GGRブラウンバッグランチセミナー】国家安全を強調する中国の社会統制政策 最新の情勢の分析
日にち2023年5月16日
時間12:30-13:30
開催場所マーキュリータワー 3302室
イベント概要

2023年5月16日、グローバル・ガバナンス研究センター(GGR)は、阿古智子氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)を迎え、第15回GGRブラウンバッグランチセミナー「国家安全を強調する中国の社会統制政策 最新の情勢の分析」を開催しました。本セミナーには一橋大学内外から31人が参加しました。

阿古教授は、2015年7月公布の「国家安全法」以来、中国政府が強めている社会統制政策を、①権威強化と大衆煽動、②思想教育とイデオロギー工作の強化、③貧困対策・経済発展(同化・収奪)、④国家安全の最優先、⑤言論の自由・市民社会への圧力、の5つの観点から説明しました。その際には、中国国内の人権派弁護士やジャーナリスト・活動家への圧力、香港デモの弾圧、思想教育、ウイグル問題、ゼロコロナ政策などの事例をもとに、幅広い視点から解説しました。そして阿古教授は、権力構造の中で人々が抑圧されている一方で、変革に向けて自ら声を上げ続けている人々の存在を強調しました。

質疑応答セッションでは、中国政府が社会統制政策を強化するようになった背景や、今後の中国社会の展望、中国国外における言論統制の現状など、様々な質問が提起されました。阿古教授は、こうした質問に対して自身の研究や経験を踏まえて回答し、中国の現状を知ること、そして抑圧構造の中で生きている人々に思いを馳せることの重要性を強調しました。

 

【イベントレポート作成】
中野 智仁(一橋大学国際・公共政策大学院 修士課程)