グローバルリスク・危機管理プログラム
核の脅威に「慣れた」世界のその先 侵攻の出口に待つ矛盾とジレンマ
出版日2023年2月20日
書誌名朝日新聞
著者名秋山信将
要旨 2023年2月20日、朝日新聞に一橋大学国際・公共政策大学院院長・GGR研究員の秋山信将教授のインタビュー記事『核の脅威に「慣れた」世界のその先 信仰の出口に待つ矛盾とジレンマ』が掲載されました。秋山教授は、プーチンの核兵器使用の脅しに国際社会が慣れてしまう危険性を指摘しました。このような脅威を軽視することで、ロシアがより攻撃的になり、戦争に思わぬ展開が起こる可能性があると述べました。しかし、教授はまた、いくつかのジレンマがあるため、現在世の中が置かれている戦争状況から簡単に抜け出す方法はないと論じました。ロシアが核兵器を使わずに降伏することが最良のシナリオだと示しつつ、それ以外の可能性も考慮する必要があるとしました。一方、核兵器のない世界を実現するためには、核の廃絶という理念を語るだけではなく、それを具現化するのにいかなる手段が必要なのかを国際社会でアイディアを出し合って合意に向けて努力するべきだと主張しました。最後に、このような話し合いや世界構造の認識が「戦後」の国際秩序の構想につながると議論しました。